魔竜の強襲
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ージを与える。
「氷神の・・・」
防戦一方・・・いや、防御すら取ることができないティオスは怒りの表情へと変わっていた。だが迂闊に動けばまた足元を掬われる。それならばと青年は広範囲に広げられるブレスで反撃に打って出た。
「怒号!!」
当たれば一溜まりもない強烈な一撃。ではあった。だが、彼のそれはまるで別方向へと飛んでいき、誰のことも捉えることはできなかった。
「片腕を失うだけでここまで力が落ちるとは・・・」
「アクノロギアも一年前、左腕を失ったことで早々に撤退したからな」
今までの絶対的な王者が素人のようになってしまっていた。それだけ人間は・・・いや、生き物はこれまでとは異なるバランスになると、それを修正することができないほどに繊細なのだ。
「もうこいつを落とすのに時間は掛からない。終わりだ」
攻撃を放つことも避けることもままならないティオスでは、いかに巨大な魔力を保有していようと勝負にならないことは明白。戦いは決したかに思われた。だが・・・
「あと少し・・・あと少しだけ時間が欲しかった」
諦めたかに聞こえるティオスの声。だが、彼の見上げた大空から突然、何かが大きな音を立てて舞い降りてきた。
「なんだ!?この魔力!?」
「ひっ・・・」
現れたマントを羽織ったボサボサ髪の男の魔力に、エルザは視線を向け、ウェンディはガタガタと震え出した。
「まさか・・・もう来たというの?」
「時間切れ・・・か」
アイリーンとオーガストはその男を見て表情を曇らせる。この地に舞い降りたその男は、ニヤリと歯を見せていた。
「我は飽きた。この世界に飽きたぞ、黒魔導士」
漆黒の翼、アクノロギア。世界を破滅へと誘うその男がぶつかり合う魔力を嗅ぎ付けやって来たのであった。
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