機動戦士ガンダム
2118話
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ホワイトスターで一泊し、今度は寝坊するような事はせず――それでも夜はたっぷりと楽しんだが――に、俺達は無事にサイド3に戻ってきた。
ちなみにパプア級で俺達の送り迎えをしてくれたシーマの部下には、ホワイトスターで買ったハンバーガーやらおにぎりやらクレープのように、片手で食える料理を適当に差し入れしておいた。
……何人かがゴーヤクレープという当たりを引いて呻いたりしていたが……まぁ、そいつは当たりなんだし、運が良かったのだろう。俺は食いたくないけど。
ともあれ、マハルからズム・シティに戻ってきたのだが……
「ふふふ、お帰りアクセル君。こっちの方はかなり上手くいったわよ?」
エデンで俺を出迎えたのは、満面の笑みを浮かべた千鶴の姿だった。
……その隣で凛が若干落ち込んだ様子で何か飲んでいるのを見る限り、色々と上手くいったというのはともかく、何らかの失敗もあったというように見えるんだが。
「えーと、上手くいったってのはF-32についてだよな?」
「ええ、勿論。設計データだけじゃなくて、実物があったのが大きかったわね。おかげで、MIP社の人とはこれからも仲良くやっていけそうよ」
「なら、いいんだが……交渉の類が上手くいったのなら、何で凛はそんなに落ち込んでるんだ?」
「ああ、凛は……ちょっとその交渉の時に、ね。向こうが最初はこっちを見下してから……」
その言葉に、そう言えば最初はMIP社の偉い相手ではなく、下っ端……という表現はどうかと思うが、そんな奴が来るって話だったな。
具体的にどのような者が来たのか、俺には分からない。
分からないが……その者にしてみれば、千鶴や凛といった見目麗しいと表現するに相応しい、それでいてMSとかの技術に詳しいように思えない相手が来た事が、不満だったのだろう。
もしくは、自分が侮られたと思った可能性すらある。
そう考えれば、千鶴や凛に対して強く当たった者がいてもおかしくはない。
……もっとも、実際に凛は機械の類には弱いのだが。
W世界ではピースミリオンの艦長をやっていたが、それだって基本的に凛がやっていたのは指示を出す事であって、実際にピースミリオンを動かしていたのは他の者達だったし。
正直なところ、何で凛と機械はこうも相性が悪いのか……
一応、普段使うような代物に対してはそれなりに使えるようになっているのだが。
技術班の方でも、凛のそんな体質に興味を持っている者がいるとかいないとか。
ともあれ、そんな凛の性格……性質と表現すべきか? その辺りを考えると、凛が落ち込んでいる理由も分からないではない。
端的に言えば、うっかりをやらかしてしまった事だろう。
「おい、そこのうっか凛。大丈夫か? うおっ!」
うっか凛。
そう言った瞬間、
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