機動戦士ガンダム
2118話
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凛からガンドが飛んでくる。
反射的に回避したが、当然俺がガンドを回避したという事は、その先にある場所にガンドが命中する訳で……
「椅子で良かったな」
小さく呟く俺の言葉に、酒場にいた全員――笑みを浮かべていた千鶴を除く――が真剣な表情で頷いていた。
「あー……まぁ、取りあえずMIP社との交渉は上手くいったんだし、気にするなって」
「……ふん」
若干拗ねた様子のままの凛だったが、それでも俺の言葉で――もしくはガンドを撃って――多少は気分も晴れたのか、機嫌の悪さは和らいだらしい。
それを確認してから、俺は改めて千鶴に視線を向ける。
「それで、F-32はどうした? もうMIP社に引き渡したのか?」
「ええ。MIP社の方でも今頃は大騒ぎになってるでしょうね」
「……だろうな。とはいえ、ドップだったか? その戦闘機の代わりにF-32が採用されるという事はないだろうけど」
俺の言葉が聞こえた全員が、それに同意するように頷く。
ジオン軍にとって最初に地球で使う戦闘機だ。
当然それにはかなりの利権が存在しているのは間違いなく、恐らく……いや、確実にF-32を採用しようとしても邪魔をしてくるだろう。
また、そもそもの話、MIP社がF-32の実物と設計データがあっても、それを作れるかどうかといった問題もある。
OGs世界で開発されたF-32は、当然のようにUC世界の技術とは全く違う技術で作られているのだから。
そうなるとまずMIP社がやるべきなのは、設計データと実物を含めて、そこに使われている技術を得る事だろう。
とはいえ、F-32には何か特別な技術が使われている訳ではない。
いや、寧ろ今回に限ってはそれがMIP社で技術を分析しやすくなって丁度良いのだろうが。
敢えて特殊な技術というのであれば……特殊素材を利用した翼か?
ただ、そのくらいの技術であれば、特に問題はない……筈だ。
だからこそ、F-32の実機をMIP社に対して譲渡する事を政治班や技術班が了承したんだろうし。
今すぐにF-32をジオンの戦闘機として採用するのは無理でも、その技術を分析して、MIP社で作れるようになれば……将来的にドップの代わりに主力戦闘機になれる可能性は十分にある。
もっとも、MIP社がF-32を量産出来る頃までジオン公国が生き延びているかどうかは不明だし、ルナ・ジオンが……ああ、でも別に今のところはルナ・ジオンは地球上に領土を持とうとは考えていないから、F-32とかは意味がないのか?
ルナ・ジオンが地球上に領土を求める可能性は……まぁ、ないとは言わないけど、今のところはその予定がない。
それはあくまでも俺がそう思ってるだけで、政治班とかの面々なら俺が思いもつかない理由からそっちに手を伸ばし
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