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レーヴァティン
第六十三話 天津神の場所でその八

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「そうするっちゃか」
「そのつもりだが」
「わかったっちゃ、では志摩に向けて出発っちゃ」
 愛実は微笑んで言った。
「あの地に向けてっちゃ」
「そうするか」
「ではっちゃ」
「ここから志摩まではすぐです」
 ここで言ったのは良太だった。
「むしろ名古屋と伊勢よりも遥かにです」
「近いか」
「歩けば一日で」
 それ位でというのだ。
「着けますし船を使ってもです」
「どちらでもか」
「はい」
 伊勢の近くにある港町から出てというのだ、実は伊勢海老もその港からあげられたものであるのだ。
「いけます」
「そうか、ではだ」
「今回はですか」
「船で行くか」
 英雄は考える顔で述べた。
「そうするか」
「そうしますか」
「これまで歩いてばかりだったが」
 これまでの旅のことを振り返ってだ、英雄は述べた。
「それでもだ」
「機会があるので」
「船を使うのもいいな」
「船を知る為にも」
「それでだ」
 まさにというのだ。
「ここはだ」
「船を使うといいかと」
「わかった」
 英雄は良太の言葉に頷いた、そしてだった。
 一行は志摩まで船で行くことにした、それで港まで向かうことにした。その港に来ると早速だった。
 丘に揚げられた魚介類を観てだ、英雄はこんなことを言った。
「志摩に行く前にな」
「それまでにっちゃ」
「また食うのも悪くないか」
 こう愛実に返した。
「伊勢海老をな」
「活きのいい伊勢海老が多いっちゃね」
「観ているとな」
 それならばというのだ。
「食いたくなった」
「だからっちゃ」
「船が出るまでの時間にもよるが」
「時間があるとっちゃな」
「食うか」
 その伊勢海老をというのだ。
「ここは」
「いいっちゃね、やっぱり魚介類は獲れたてっちゃ」
 愛実も反対せずに述べた。
「海老でもそうっちゃ」
「だからだ、造りだな」
 今海老を食べるならというのだ。
「これは」
「それはいいですね」
 紅葉も話に入ってきて言ってきた。
「伊勢海老は」
「そう思うか」
「はい、わたくしも」
 その通りだと言うのだった、紅葉も。
「是非。それでは」
「船が出る時間を確かめてからな」
「食べますか」
「あくまで時間があればな」
 その場合はと言ってだ、英雄は実際に船が出る時間を近くを通った漁師に志摩へ行く船が出る時間のことを尋ねた。すると漁師は眉を顰めさせて彼に答えた。
「今は出したくてもだよ」
「出せないか」
「ああ、魔物が湖に出てな」
 それでというのだ。
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