33部分:第三話 入学その九
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第三話 入学その九
「そこになったから」
「天文部もあるのか、この学校」
あらためてこの八条学園の部活の多さを知る彼だった。
「文化系も凄いんだな」
「凄くするのは私達」
ここではこんなことも言う椎名だった。
「けれど部活が一杯あるのはいいこと」
「そうだよな、確かにな」
「それでつきぴー」
「あっ、愛ちゃん」
椎名はその居合部の女の子に声をかけた。すると彼女も椎名を仇名で呼んできたのだった。
「愛ちゃんは何処にしたの?」
「天文学部」
そこにしたと彼女にも言うのだった。
「それでつきぴーは高校も居合部にしたのね」
「そうなの。やっぱり高校でもいいと思って」
「いいと思う」
まさにそうだと話す椎名だった。
「頑張ってね」
「うん、頑張るわ」
「しかし」
二人の間にいる陽太郎は左右を見回しながら戸惑って言うのだった。
「何なんだ?つきぴーに愛ちゃん?」
「この娘の仇名」
椎名は前にいるその彼女を手で指し示して陽太郎に話した。
「西堀月美。だからつきぴー」
「へえ、西堀さんっていうんだ」
陽太郎はここでようやく彼女の名前を知ったのだった。
「西堀さんね」
「はい、そうです」
まさにそうだと。月美も答えてきた。
「それが私の名前です。西堀月美といいます」
「あっ、どうも」
陽太郎もその月美に挨拶をする。
「はじめまして。俺は斉宮陽太郎」
「斉宮君ですか?」
「うん、一年三組」
何処のクラスかも自分から話した。
「この。ええと」
「椎名愛海」
椎名から名乗ってきた。
「早く覚える」
「そうそう、椎名と一緒のクラスなんだ」
その彼女の言葉に応えて言うのだった。
「何か凄い縁だけれど」
「縁は人を結びつけるから」
椎名はまたぽつりと呟いた。
「それでつきぴーはどのクラスなの?」
「四組なの」
どうやら椎名にだけは普通の口調らしい。それが窺えるやり取りだった。
「じゃあ隣のクラスね」
「そうね。一緒ね」
「宜しくね、お隣さん同士で」
月美は優雅な笑みを浮かべて椎名に述べた。その表情は確かにそうしたものだった。まだ高校生だというのに既に優雅さがあった。
「これからも」
「こちらこそ。それで」
椎名は月美に応えながら。そのうえで彼女に紹介をはじめた。それは。
「こっちが赤瀬」
「どうも」
赤瀬は椎名の言葉を受けて月美に挨拶をした。
「赤瀬炎男っていうから」
「赤瀬君ですね」
「うん、宜しく」
「はい、宜しく御願いします」
「大きいけれどとても優しい」
椎名はこう彼を紹介した。
「それに力持ち」
「何か結構凄い説明だな」
「おっちょこちょいの図書委員」
陽太郎が言ったところで彼のことも話した。
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