04.猫達DEデスゲーム。
第3回 レン、最初の戦闘
[8]前話 [1]後書き [2]次話
そこからは早かった。迷い無く進んでいく琴葉さんの後ろを、静かに歩くだけなのだから。
「ん、ここね」
琴葉さんが止まったのは、地下1階の東階段横の部屋。琴葉さん曰く、ここはリサさんのスタート地点で、ユリさんのスタート地点は地下2階の東階段横らしい。
目配せで合図を受け、すぐに部屋に飛び込む。
が、そこには既に真紅の血が広がっていた。その中心に、転がる2つの体。間違いなくリサさんとユリさんだった。
「既に殺されている……?」
鬼だとしても、体のつくりは人間とほぼ同じ。脈をとることもできる。
と言う訳で、リサさんの首に手を持っていく。が、少しの振動も伝わってこない。ユリさんもだ。
僕はゆっくりと立ち上がって、踵を返す。が――――
「ざんね〜ん」
急にゆらりとリサさんが立ち上がり、持っていた短剣をこちらに投げる。しまった、と思いその短剣を避けようとするが、それは確実に僕の心臓を狙っていた。
「おやおや、ちょっと油断しすぎだったみたいだねぇ。リサ、ユリ」
が、その短剣はいつまで経っても僕に刺さることは無かった。代わりに―――――リサさんとユリさんの体が切り裂かれる。
「肌と同じ色のテープで脈の上にコードを固定して、死んでいるように見せ掛けるなんて! しかもこの赤い液体も血と殆ど同じ! 腕を上げたねぇ、リサもユリも。ささっ、逃げよ逃げよ」
軽い口調で言う琴葉さん。指で血の付いた短剣を弄びながら、琴葉さんは部屋を出て行く。首の辺りを少し探ってみると、確かにテープが剥がれ、その下からコードが出て来た。
うぅ、と唸りながら琴葉さんの後を追う。
その後ろに4枚の封筒が落ちていたことを、僕は知らなかった。
"プレイヤー2により、プレイヤー6が殺害されました。"
"プレイヤー2により、プレイヤー7が殺害されました。"
――――――――――――――――――
―――――――――――
取り敢えずスタート地点に戻ってきた。途中誰にも会わなかったと言うことは、残りのプレイヤーは全て地下2階か地上3階に集まっているのだろうか。それとも、スタート地点から動いていないのか。とにかく、ここに長居していると危ないと言うことは分かった。
「次に楽なのは涙と宙あたりだね。だけど、きっと単独行動している奴らが次の相手だよ。響也あたりだろうね」
「どうします?」
「どうするも何も、ここで返り討ちにするだけだよ」
「『返り討ちにする』だって?」
ドアの向こうから声が聞こえた。
[8]前話 [1]後書き [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ