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祭りに出れば
第三章

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 ひかりはトイレに行った、そうして暫くそこから出なかった。出た後ももうこの祭りでは食べることはせず友人達と一緒にいた。
 そしてだ、その後でだった。
 ひかりは家に帰って兄と姉にこのことを話した、すると二人はひかりにやれやれといった顔で話した。
「ひかりにしては珍しいミスだな」
「そうよね」
 こう二人で言うのだった。
「どうも」
「食べ過ぎるなんてな」
「しかもお腹冷やすって」
「こんなことなかったのにな」
「迂闊だったわ、ついついね」
 好きだからとだ、ひかりは兄姉達に応えて話した。
「食べ過ぎてね」
「それでか」
「ついなのね」
「危なくなったわ、けれどね」
「近くにトイレあってよかったな」
「運がよかったわね」
「若しなかったら」
 その時のこともだ、ひかりは話した。
「茂みの中でだったわ」
「そんなに危なかったんだな」
「急にきたのね」
「いや、幾ら好きでも他のも食べたし」
 出店の定番のたこ焼きやら何やらもだ。
「しかもその二つ二回ずつ食べたし」
「本当に食べ過ぎだな」
「そりゃお腹にくるわよ」
「失敗したわ、浴衣だから下着着けてないからその分冷えるし」
「浴衣用の下着あるわよ」
 姉は妹にこのことをここで話した。
「ちゃんとね」
「えっ、そうなの」
「半ズボンみたいな形した下着のラインが出ないね」
「そうなの」
「それかティーバック穿けばいいし」
「ティーバックはちょっと」
 まだ中学生のひかりはそちらの下着にはどうかという顔になった。
「いいわ」
「じゃあその半ズボンみたいなパンツね」
「今度から穿けばいいのね」
「浴衣の時はね。まあとにかく今回はね」
「ええ、近くにおトイレあってよかったわ」
「あと食べ過ぎにはね」
「幾ら好きでもね」
 ひかりも実感した、何とか難を避けたうえで。
「よくないわね」
「これからは気をつけなさいね」
「そうするわ」
 苦笑いで言うひかりだった、今回の祭りは彼女にとっていい教訓となるものだった。


祭りに出れば   完


                     2018・7・26
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