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ラジェンドラ戦記〜シンドゥラの横着者、パルスを救わんとす
第一部 原作以前
第二章 対パルス使節団編
第七話 放浪楽士
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「私はともかく、女性陣は美人が多くてねー。みんな不安がってるんさー。そこを何とか―」
「や、それは大変だな!よし、引き受けた!」
食い気味にギーヴさんが答えた。うん、話に聞いてた通りの美女好きみたいだね。やったあ!ギーヴさん、ゲットだぜ!
◇◇
こうして、ラクシュに連れられてやってきたギーヴが使節団の護衛に加わった。ジャスワントなんかはブツブツ文句言ってたけどな。
「私の事を怪しいとか仰っていたくせに、百倍怪しそうなこんな男を護衛に加えるとは!」とか何とか。
「あれは何処ぞの隠し子を認知しようともせず、秘密を墓まで持って行きそうな奴の口を割らせる為に言ったまでだ」と言ったら黙ったが。
ギーヴが加わったその夜は、ラクシュが獲ってきた獣肉を肴に大いに呑み、大いに盛り上がった。
王子って割には気さくで気が合いますな、お主もよく喋るなあ他人とは思えんと、俺もギーヴも意気投合し、ギーヴの琵琶に合わせて俺も歌った。
「…殿下の歌はまるで水牛のいびきのようですな」とギーヴには呆れられちまったけどな。
ギーヴは女性陣の中でもカルナとフィトナがお気に入りのようで盛んに話しかけていた。カルナは巨乳な上にラクシュの姉に見えるくらいに若々しいし、フィトナは三人娘の他の面子と同じく十歳だけど三人共大人びていて十代半ばぐらいに見えるしな。ファランギースにご執心だった様に、キレイ系の美女がお好みなんだろうな。まあ、二人共相手にしない上に、うるさく思ったのか巧みに次々と酒坏に酒を注いで早々に酔い潰して撃退していたが。翌朝ひどい二日酔いに苦しみながらも相変わらず話しかけまくっていたギーヴの辞書にはきっと「懲りる」という言葉が載っていないのだろう。
ギランから更に数日馬に揺られ、俺たち一行はようやくエクバターナにたどり着いた。よし、王宮で陰険漫才を繰り広げるとしようか!
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