328部分:第二十四話 過ちその十二
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第二十四話 過ちその十二
「そう、五感はしっかりしている」
「それにしても何か人間離れしてないか?」
「だから今回の危機を察することができた」
「それでよしとするか?」
「そう考えてくれたらいい。とりあえずは」
「ああ、とりあえず?」
「危機は去った」
それはだというのだった。
「それで後は赤瀬を呼んで」
「それからどうするんだ?」
「こいつを学校から放り出してそのうえで警察に連絡する」
「で、少年院に送ってか」
「そうなる。これで一件落着」
こう話す椎名だった。
「そういうことだから」
「よし、けれどな」
「けれど?」
「さっき凄く嫌な音がしたんだけれどな」
陽太郎はまだ気絶している堀内を見た。上から見ているのでわからないがその顔は白目を剥いて口から泡を吹いて悶絶している。
「まさかな」
「そのまさか」
そうだというのだった。
「さっきも言った通り両方潰したから」
「うわ、死んだんじゃないのかそれって」
「死んでても自業自得」
平気な顔で言う椎名だった。
「気にすることはない」
「いや、幾ら何でもやり過ぎじゃないのか?」
「悪党には容赦しない」
まるで何処かの拳法の継承者の如き言葉である。少なくともそこには一片の容赦もない。それがよくわかる椎名の今の言葉だった。
それを言ってからだった。椎名は携帯を取り出してきた。そうしてだ。
「さて」
「赤瀬呼ぶんだな」
「こいつを学校から放り出す。そこにお巡さんを呼ぶから」
「こいつ前から随分悪いことしてきたからな」
「それも全部わかるから何もかもが終わり」
「そういうことか」
「うん。それで斉宮」
ここまで話したうえで陽太郎に対して声をかけるのだった。
「つきぴーを御願い」
「あ、ああ」
陽太郎は彼女の言葉にすぐに頷いた。そうして月美を見る。見れば彼女はやっと落ち着きを取り戻して二人のところに来たのだった。
そうしてだ。陽太郎に対して言うのだった。
「あの、陽太郎君」
「ああ、何ていうかさ」
陽太郎は落ち着きを必死に保とうとしながらそのうえで彼女に応えた。
「今回のことはあの、その」
「有り難うございます」
月美はその陽太郎に対してぺこりと頭を下げてから述べた。
「本当に助かりました」
「いや、俺は」
「愛ちゃんについて来ただけじゃないですよね」
陽太郎が何か言う前の言葉だった。
「ここに来てくれたのは」
「いや、それは」
「本当に有り難うございます」
また頭を下げる彼女だった。
「お陰で助かりました」
「俺より椎名の方が」
「いいや、ナイトは斉宮」
椎名がぽつりと言った。
「それは間違いない」
「俺がナイトなのか?」
「そう、ヒロインのピンチを救ったナ
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