Ep11 取り戻した絆
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リアにかかわった人なら」
「理解した。まぁ、やってみるか」
フェロンの案内でベッドに近づく。そこに、やせ細った少女の姿があった。当然だ。一週間も眠っていればそんなになる。
その頬を、アーヴェイは思い切り張った。
「兄さ……っ!」
「おい!?」
驚くフィオルとフェロンは無視して。
「――貴様、いつまで眠っているッ!」
悪魔の瞳が、カッと見開かれていた。
彼は、叫んだ。
「かつて貴様は、オレを仲間だと言ったな? だがな、それは違う! 貴様はオレたちを裏切った! だから、オレは貴様にもう一度言おう!」
その一言を言われ、傷ついたリクシアは、危うく魔物になりかけた。
その言葉が、再び。彼の口から発せられる。
「――お前なんて、最初から、仲間じゃなかった」
「違う!」
リクシアは跳ね起きて、叫んでいた。
「あなたは仲間だった! 私が最初に出会ったあの時から! 別れた日は、混乱していただけで!
最初から――仲間だったんだッ!」
「……起きたじゃないか」
アーヴェイが、にやりと笑った。
「アーヴェイ、すごい……」
「見直した」
フィオルとフェロンが、呆然とした顔でつぶやいた。
リクシアは、はっとなる。
「わ……わた……わた……し……」
叶わぬ夢にとらわれて。現実を見ようとしなかった。
力は回復したのに。待ってくれる人がいるのに。
夢に、おぼれて。悲しみに、おぼれて、現実を、見ようともしなかった。
「ごめん……ごめんな……さい……!」
なんて愚かだったのだろう。また、フィオルとアーヴェイに笑われる。
――フィオルと、アーヴェイ……?
リクシアは何度も瞬きした。あれれ? おかしい。フィオルとアーヴェイとは、決別したはずだ。なのになぜ、ここにいるの?
「……目、おかしくなっちゃったのかな……」
「おかしくはないぜ」
言葉を声が否定した。
「アー……ヴェイ……」
「落盤事故があって道が通れなくてな。引き返すついでにここに寄った」
そんなアーヴェイに、呆れた顔でフィオルが突っ込みを入れる。
「兄さん素直じゃない……」
「素直だが?」
「今度は否定するわけね……」
そのやり取りを、微笑んで聞きながらリクシアは呟いた。
「戻って……くれたんだ……」
「ああ。フェロンから話は聞いた。少しは成長したと思ったが、その様子じゃまだまだだな」
「……わかってるもん」
フィオルに会い、アーヴェイに会い。フェロンと再開し、「ゼロ」と戦って。そのたびに、己の甘さを突き付けられて。
「……わかってる……わかってる……けど……」
今なら受け入れてくれる。そんな甘い考えは捨てたけど。
リクシアはこの人たちが好きだから。仲間として、友人として。好き、
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