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ドリトル先生と奇麗な薔薇園
第六幕その二
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「羊の方はどうしても」
「あまり食べないお国だね」
「そうですね、ですが」
「うん、マトンのしゃぶしゃぶもね」
「いいですね」
「そちらも食べよう」
「牛肉だけじゃなくて」
 こちらのお肉も買いますがそれでもというのです。
「そうしようね」
「是非共、あとお野菜も買いますから」
 こちらも忘れないトミーです。
「お肉もお野菜も」
「どちらもだね」
「ふんだんに食べていきましょう」
「そうしようね」
 こうして先生は近いうちにしゃぶしゃぶを食べることになりました、そうしたことをお話してからでした。
 ふとです、先生はお家の中で論文を書きつつこんなことを言いました。
「今薔薇戦争の論文を書いているけれど」
「ああ、イングランドの王位継承戦争だね」
「ヨークシャー家とランカスター家に分かれて争った」
「赤薔薇と白薔薇の」
「あの戦争だね」
「イギリス人の僕から見てもね」
 書きながら首を傾げさせて言う先生でした。
「訳がわからないね」
「物凄くややこしいんだよね」
「どうにもね」
「関わっている人達の関係が複雑で」
「血縁関係とかが」
「うん、もうそれこそね」
 まさにと言う先生でした。
「誰が誰と誰の間の子供でね」
「どの陣営にいて誰と結婚して誰の親になったか」
「それで何をしたのかね」
「物凄く複雑に入り組んでいて」
「それでわかりにくいのよね」
「欧州の貴族の血縁関係は複雑だけど」
 王族の方々も当然その中に入っています。
「その中でもね」
「あの時のイングランドはね」
「特にだよね」
「血縁関係が複雑で」
「もう無茶苦茶に入り組んでいて」
「訳がわからないのよね」
「どうにも」
「そうなんだよ」
 これがというのです。
「だから書くにあたってもね」
「その辺りの認識が大変なのね」
「戦争に関係している人達それぞれの把握が」
「それだけでも大変で」
「困るのね」
「うん、薔薇戦争は前も調べたことがあるけれど」
 それでもというのです。
「把握だけでも大変だよ」
「源氏物語よりも大変?」
「あのお話も人間関係複雑だけれど」
「しかも登場人物多いし」
「それでもなの」
「うん、もうね」
 それこそというのです。
「何度調べても大変だよ」
「そうみたいだね」
「とにかく難しいんだね」
「関係の把握だけでも」
「それだけでも」
「そうなんだ、イングランド王家の血縁の複雑さは百年戦争の頃からだったけれど」
 フランスとの長きに渡る戦争です、教科書でも有名です。
「それがね」
「薔薇戦争になってだね」
「その複雑さが頂点に達して」
「もう何が何だかわからない」
「そこまでになるのに」
「そうなんだよね、もうね」
 あまりにも
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