第六幕その四
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「手品は使えます、ですがトランプで橋を造る様なことは」
「出来なかったんですね」
「トランプやマントで隠れたり姿を消すことも」
そうしたこともというのです。
「出来なかったのです」
「手品で、ですか」
「そうした手品は」
「はい、魔法使いさんに教えて頂きました」
「それでなんですか」
「橋も造ることが出来る様になり」
ミスター=ドラコはトランプのお家を見ました、壁も屋根も煙突も全てトランプのカードで出来ていてとても面白いです。
「家も建てられる様になりました」
「手品で」
「そうなのです」
「オズの国はそうしたことも出来るんですね」
「魔法の様ですな」
「そう思いました」
実際にと答えたナターシャでした。
「何か」
「それが手品なのです」
「オズの国の手品ですか」
「そうなのです」
「そうですか」
「はい、そしてですね」
「今からトランプの橋を渡っていいですか?」
「どうぞ」
ミスター=ドラコはナターシャにも笑顔でこう答えました。
「お渡り下さい」
「それじゃあ」
「いや、はじめて渡った時を思い出すわ」
ガラスの猫は橋に向かいながらこんなことを言いました。
「あの時をね」
「どんな風だったの?その時は」
「この橋を渡ったらどんな感じかいらねってね」
「思ったのね」
「そうなの、期待していたわ」
渡るそのことをというのです。
「そうだったわ」
「そうだったのね」
「そう、そしてね」
「今からよね」
「あんた達も渡るのよ」
その時のガラスの猫の様にというのです。
「じゃあいいわね」
「ええ、今から渡るわ」
「そうしてね」
ガラスの猫は自分からです、足を踏み出して。そしてナターシャ達五人と一緒に橋を渡ったのでした。
橋を渡り終えてです、五人は言いました。
「確かな橋だったわね」
「うん、トランプで薄い筈なのに」
「コンクリートの橋みたいだったね」
「しっかりした感じで」
「渡って何の心配もなかったわ」
「これがこの橋なのよ」
まさにとです、ガラスの猫は自分と一緒に渡った五人に答えました。
「トランプだけれどね」
「コンクリートの橋みたいに丈夫で」
「普通に渡れるんだね」
「安心して」
「崩れたりしないで」
「安全なのね」
「そうよ、それがあの人の造った橋なのよ」
トランプの橋だというのです。
「面白いでしょ」
「確かにね」
ナターシャがガラスの猫に答えました。
「渡って本当に思ったわ」
「そうでしょ、いい橋でよ」
「まさにオズの国の橋ね」
「そうでしょ、じゃあね」
「ええ、私達も渡ったし」
「オズマ達も渡るから」
見ればオズマとつぎはぎ娘、チクタクはまだ橋の向こう側にいます、ミスター=ドラコ
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