第二章
[8]前話
自分も蒼白になってだ、クラスメイトに言った。
「間違いないわ」
「えっ、あんた顔真っ青よ」
「四十年代って言ったわね」
「そうだけれど」
「さっきの間違いないから」
こうクラスメイトに言うのだった。
「冗談抜きでね」
「えっ、それじゃあ」
「あんた幽霊と擦れ違ったのよ」
「ちょっと、じゃああんたの言ったことって」
「そうよ、私が幽霊見たのは実は他の場所だったけれど」
それでもというのだ。
「今あんたが擦れ違ったのはね」
「本物だったの」
「リアルで幽霊だったのよ」
正真正銘のそれだったとだ、莉乃はクラスメイトに話した。
「私は気付かなかったけれど」
「あんなにはっきり出るの!?今お昼よ」
「お昼はお昼でも出るのよ」
幽霊はとだ、莉乃は答えた。
「特にここはね」
「洒落になってないわよ」
「ちょっと、これはね」
かなり真剣にだ、莉乃はクラスメイトに言った。
「神社でお守り勝ってお塩でね」
「清めのお塩ね」
「それで難を避けましょう」
「いや、ちょっとね」
流石にだ、クラスメイトも蒼白の顔になってきた。二十一世紀になって昭和四十年代の服を着た人なぞ普通に出歩いている筈がないからだ。
「私もね」
「信じた?」
「ここのこと調べていい?」
「調べたら洒落にならないことがわかるわよ」
これが莉乃の返答だった。
「それでもいい?」
「そういうことなのね」
「そう、じゃあとにかくね」
「お守り買ってお塩でなのね」
「難を逃れましょう、本当に出たんだから」
莉乃は見なかった、しかし幽霊を信じていないクラスメイトが言うのならそれは間違いないと思ってだ。
それでだ、こう言ったのだ。
「だからね」
「ええ、これで私もね」
「信じるでしょ、幽霊のこと」
「信じるわよ、この目で見たから」
それならとだ、クラスメイトも答えた。
「はっきりとね」
「そういうことね、じゃあね」
「今から神社ね」
「そこに行きましょう」
お守りを買って清める為にとだ、こう言ってだった。
莉乃はクラスメイトと共に神社に向かった、するとたまたまそこで出会った神主にびっくりされて無料でお祓いをしてもらった。お守りは買ったが。
以後このクラスメイトは幽霊を否定することはなくなった、それで以後絶対にだった。莉乃が幽霊を怖がっても馬鹿にすることはしなくなった。そして彼女の怖いものも幽霊となった。
大阪にもいる 完
2018・7・25
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