第三章
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礼を述べた、そうして彼等はデルタにあるものを出した。それはというと。
「お薬ですか」
「薬草とブルーベリーのお礼だ」
「我々が今持っている全てだ」
「これを渡したい」
「この二つのお礼にな」
「お礼はいいのですが」
デルタはその二人に申し訳なさそうに応えた。
「それでもですか」
「貰ってくれるか」
「そうしてくれるか」
「はい、何かです」
どうにもとだ、デルタは旅人達の雰囲気からだ。
断れないものを感じた、それでこう応えたのだった。
「受け取らなくては」
「是非そうして欲しい」
「頼む」
旅人達の声は強かった、それでだった。
デルタはその申し出を受け取った、すると旅人達は彼女に言った。
「では後で飲んでくれ」
「きっとそなたを助けてくれる」
「ではな」
「我等はこれで去ろう」
旅人達はデルタに感謝しつつその場を後にした、そしてだった。
彼等はデルタがいる街を後にした、そのうえで。
彼等は街を出るとすぐに彼等が本来いるべき場所に戻った。そうしてすぐに彼等の本来の姿に戻るとだった。
主神は使いの神にこう言った。
「ここから見た通りだったな」
「はい、あの娘はです」
使いの神もこう主神に応えた。
「美しい心の持ち主です」
「そうだったな」
「はい、ですから」
「人に戻る資格はある」
「左様ですね」
「では今からだ」
主神は使いの神にあらためて述べた。
「あの娘が人間に戻る様子を観よう」
「ここからですね」
「他の神々を集めてな」
「では」
「人間に戻るがしかしだ」
「はい、あの娘の記憶はですね」
「これからだ。そして記憶が戻った時」
それからのこともだ、主神は言うのだった。
「あの娘はもう一度歩くことが出来る」
「そうですね、では」
「そのことも見守ろう」
「それでは」
二人で話してだ、そのうえで。
主神は天空の神々を集めてデルタを見た、すると彼等が与えた薬を飲んだ彼女は。
人間に戻りその姿で外に出た時にそのことを街の者達に言われ自分も水鏡に映る自分を見て歓喜していた、記憶はこれからだったがその心に相応しい救いが与えられた。
ブルーベリーへのお礼 完
2018・7・25
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