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空に星が輝く様に
321部分:第二十四話 過ちその五
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第二十四話 過ちその五

 あらためて堀内を見る。そうしながら赤瀬に言った。
「それにしてもな」
「彼のことだね」
「ああ、如何にもって感じだよな」
 こう言うのだった。
「本当にな」
「見るからに悪そうってことだよね」
「実際に何をしてもおかしくない奴なんだろ?」
「そうだよ。中学校の時なんかはね」
「知ってるのかよ」
「近くだったから聞いてたんだ」
 それでだというのだ。赤瀬もまた彼を見ている。そうしながら二人で話すのだった。
「よくね」
「それでか」
「喧嘩も聞いていたけれど」
「他のことか」
「いじめにカツアゲに恐喝に万引きにね。女の子を襲ったりしたって噂もあるし」
「とことんの屑なんだな」
「女の子の方は未遂らしいけれど」
 それは幸いにしてだというのだ。
「けれど実際にそういうことをしてきてるっていうのは」
「充分過ぎる程やばいってことだよな」
「ナイフも持ってるらしいし」
「武器もかよ」
「だからいざって時は気をつけて」
 赤瀬は実際にその声を警戒させるものにしていた。そのうえで話すのである。
「怪我とかじゃ済まないから」
「だよな。それは御前もだよな」
「うん、わかってるよ」
 それは既にだというのだ。
「そうした相手との戦いもわかってるから」
「その時が来ないことは祈るけれどな」
「それに越したことはないね」
「ああ、そうだな」
 彼に警戒を向けながら仕事に戻る二人だった。仕事もそろそろ終わりに近付こうとしていた。そしてそれはこのクラスだけではなかった。
 四組でもだ。仕事が次第に終わろうとしていた。昼食が終わって暫くするとだ。誰もが終わってからのことを話すのだった。
「いよいよだな」
「ああ、キャンプファイアーだな」
「ああ、それな」
「もうすぐだよな」
「けれどな」
 しかしだった。彼等は今は現在の世界にいた。まだ来るべき未来にはいない。だからだった。その現実に戻るしかなかった。
 その現実はだ。いささか面白くないものだった。
 そのことに溜息をついてからだ。彼等は話した。
「今は最後の仕事をしないとな」
「ああ、そうだな」
「そろそろ終わらせるんだよな」
「店じまいだよな」
「ああ」
 この話だった。何につけてもそれだった。
 店はまだ営業していた。しかし今は終わるその時間を待っていた。
 それで待っているのは彼等だけではなかった。星華もだ。その時を今か今かと待っていた。
 そしてだ。何時も周りにいる三人に声をかけたのだった。
「ねえ」
「行くのね」
「今からね」
「ええ、行くわ」
 こう三人に話す。意を決した顔になっている。
「いいわよね、それで」
「そうね。今しかないわね」
「言うんなら」
「もうね」

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