第4話 前哨戦
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》と白。そこにいるハズだった白を────シグは見逃していた。
「『 』は二人で一人。片方が死んでも、王が討たれた判定にはならねえんだよ」
「にぃ……ごめん、ね?」
飛車の影にいた白が、飛車と空ごとシグを貫いた、などという。
限界まで狂気に身を浸したシグより、なお狂った『 』の勝ち筋。もういっそ、シグは笑うしか無かった。
……そもそも、飛車が止まった時点で気づくべきだったのだ。指示を出さねば、単調な攻撃しかしない駒────ならば、指示をしなくても単調な攻撃はするはず。にも関わらず、飛車はその動きを止めた────
『 』は全て計算していたのだ。シグは、一度目のエサには食いつかない事を。
故に────二度目のエサで、騙し討つと。
全く、完敗の一語に尽きた。少年は『 』の、その実力に感服し────
「ハハッ、楽しいな………また遊びに来るよ『 』」
そう、生きた目で言った。『 』もまた、笑って応じる。
「おう、待ってるぜ?」
「楽し、かった……よ」
そう、楽しそうに互いに笑った。
……そう、笑っていたのだ。この時点では、誰もが笑っていた。そんな中で、誰が────あんな事態を、予測できただろうか。
エルキアが、全てを奪われる事になるなどと。
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