第5章:幽世と魔導師
閑話14「足掻き続けて」
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のものとは別物だとはわかる。
しかし、“集束する”という性質において、“ソレ”は似ていた。
「くっ……!?」
「悪路王の鬼産みの力を掻き消すほど、瘴気を集束させている……。まずい、あんなのが放たれたら……!?」
悪路王が膝をつき、周囲の鬼の妖が消え去る。
守護者が優輝に向けて放とうとしている術の影響で、瘴気が吸収された結果だ。
「ど、どうなるの!?」
「着弾地点を中心に、かなりの範囲が死の大地と化す……!」
「具体的に言えば、京都を中心に隣接した県も飲み込むほどに瘴気の影響を受けるわ」
「ッ……!?」
その被害を聞いて、全員が戦慄する。
「と、止めないと……!」
「もう、遅いわ。私たちではあれを止める方法が思いつかない。唯一それができそうな彼女は、今は力を使い果たしている。……止められるとしたら……」
「優輝、君……」
止めようとするアリシアをそういって止める鈴。
そして、司が優輝の名を呟く。
「ッ……!なんて濃密な魔力……!まさか……!?」
「優輝さん……!」
「まずい!余波でこっちにも被害が出る!防御を……!」
まだ動ける面子で防御を固める。
そして、守護者の術と優輝の放つ極光がぶつかり合った。
「っ……状況は……?」
「何とか、全員耐えきったようね……」
咄嗟とは言え、その場にいる全員で障壁を張った。
そのため、余波を何とか耐えきった。
それでも、防ぎきった瞬間に最後の障壁が砕け散り、ギリギリだったが。
「式姫は……」
「全員、消えたみたいだな……」
奏の呟きに、周囲を確認した帝が返事する。
そう。今の余波により、他の式姫は消し飛んでいた。
また、結界がなければ存在が維持できないので、その事もあって全滅していた。
「っ、そうだ!優輝君……!」
「「「ッ……!」」」
司が気づき、その声に全員が衝撃の中心点に注目する。
「アレを、人間が凌ぎきるか……」
「優輝さん……」
「あいつ……すげぇな……」
悪路王と帝が驚き、奏は心配した声を上げる。
優輝が今にも崩れ落ちそうな状態になっていた。
「……嘘でしょ?」
「何が……っ、そん、な……!?」
鈴が茫然と呟き、その視線を負った蓮も戦慄する。
その視線の先には、自由落下して着地する守護者の姿が。
「……優輝のあの攻撃は、相殺が精一杯だったんだ……!」
「それじゃあ、守護者は……」
「まだ、戦闘が可能……!」
ユーノの言葉にアリシアと奏が驚きながら呟く。
守護者がまだ戦える。それは大きな衝撃だった。
……
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