第5章:幽世と魔導師
閑話14「足掻き続けて」
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す事はありえなかった。
「勝利の剣”!!!」
星の息吹が束ねられた極光が放たれる。
左右と上への移動を禁じられた式姫達に、それを避ける術はない。
唯一、下……つまり地中は安全だったが、即座に掘れる訳もない。
……“神話級”の式姫七人は、驚異だったからこそ、ここであっけなく倒された。
「ッッ……!」
剣を振るった鈴は、その反動で膝を付き、息を切らす。
「しまっ……!」
そして、そこへ他の式姫が放った矢が迫る。
攻撃の反動で動けない鈴は、それに対する反応に遅れ……。
パァアン!!
「っ……!?」
「っぁ……!」
その矢は、飛んできた魔力弾によって逸らされた。
「なのは!?」
「っ……まだ、終わってない、よ……!」
それは、戦い自体はまだまだ続いている事に対してか。
それとも、自分はまだ戦えるという意思表示か。
「なのは、無茶したら……」
「大、丈夫……援護だけだから……!」
帝と違い、なのはは吹き飛ばされた衝撃で戦闘不能になっていた。
傷としては、なのはの方が軽く、だからこそ戦線復帰が出来た。
「(戦線復帰は理解できる。……でも、いくら傷が軽くても、早すぎる……。何か別の力が働いている……?それとも、ただ単になのはの回復が早いだけ……?)」
それでもなお“早い”と、アリシアは引っかかったように疑問に思う。
だが、そんな疑問を気にしている暇はない。
「くっ……!」
すぐさま澄姫と背中合わせになり、矢を放つ。
鈴が“神話級”の式姫を倒したとはいえ、包囲はそのままだ。
背後からの襲撃も警戒し、二人の弓術士が警戒に当たる。
「ッ……!」
―――“Pri?re pluie”
すぐさま司がジュエルシードから砲撃魔法の雨を降らせる。
これにより、式姫達が襲い掛かってくるルートを制限させる。
また、鈴の攻撃によって反応が遅れた式姫もおり、この魔法で倒す事もできた。
「っつ……!?」
だが、それまでだった。
まるで眩暈がしたかのように、司はふらつく。
「司!?」
「……さすがに、無茶、しすぎた……!」
ユーノが司がふらついた事に驚く。
そのまま膝を付いた司は、胸を押さえながら息を切らす。
「気にせず、戦って……!」
「ッ……!」
自分を気にすることで隙を晒させる訳にはいかない。
そのため、司は目の前の事に集中するように言う。
「(全員の身体強化に加え、連戦での天巫女の魔法の行使……これじゃ、私も優輝君の事言えないなぁ……でも……)」
ジュエルシードの
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