第5章:幽世と魔導師
閑話14「足掻き続けて」
[4/9]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
―――ガヘリス〉
「っ……キリがないわね……」
『ど、どうするのよ……!』
「……諦めない。それだけよ」
澄姫もまた、戦闘不能の三人を守るように立ちながら、弓矢で攻撃を続ける。
葉月とは違い、依り代の澄紀への負担は紫陽よりもかなり少ないため、まだまだ戦える状態ではある。……が、これ以上の良策が浮かばずジリ貧だった。
〈―――ランスロット〉
ギギィイイン!!
「ちぃ……!」
悪路王の鬼産みの力も、追いつかなくなっていく。
ジリジリと、彼らの布陣が集束するように追い詰められていく。
「ッ……これは……!」
〈―――ギャラハッド〉
だが、その間にもマーリンの準備は進む。
円卓の騎士の名が呼ばれる度に、承認が下りて制限が解除されていく。
「っ……!『フェイトちゃん!奏ちゃん!その式姫達を引き付けて!』」
「『わかったわ……!』」
「『うん……!』」
鈴が何をしようとしているのか、司は感づく。
そして、すぐに念話でフェイトと奏に伝達。
上手く誘導して、鈴と一直線上になるようにする。
「(これだけだと、放った瞬間に避けられる。だったら……)」
司はそのまま式姫達の動きを制限しようと考える。
しかし、ユーノは他の式姫の足止めで手一杯。
他の面子も動きを制限できる余裕がある訳ではない。
「『合図を送ったら、引き付けてる式姫達の左右に砲撃を撃ち込んで!散らばって避けられないように、動きに制限を!』」
ならばと、攻撃に対する回避行動を逆手に取る。
二筋の砲撃が放たれ、その間が当たらないのならば、回避行動は取る必要がない。
後は司が上への退路を塞ぐ事で、回避を許さなくする。
……再現されただけで自分で思考しない式姫達相手だからこそ、出来る事だ。
〈―――アーサー〉
「ッ……!」
そして、準備が整った。
制限が十分に解除されたのを、鈴は肌で感じる。
司もそれを見て、合図を送る。
「フェイト……!」
「うん……!」
―――“Fortissimo”
―――“Plasma Smasher”
振り返り、同時に砲撃魔法を放つ。
司もその後ろからジュエルシードを使って砲撃を撃つ。
左右、そして頭上を砲撃が通り、追いかけていた式姫達はそのまま前に進むしかなくなり、完全に動きが制限された。
〈鈴!今だよ!〉
「ええ……!“約束された……!」
そこまでされて、鈴が理解しないはずもない。
元より、自分の攻撃のために行動していたのは理解していた。
故に、このチャンスを逃
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ