第5章:幽世と魔導師
閑話14「足掻き続けて」
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ドの魔力も無限じゃない。私自身も疲労が溜まってくるし、牽制を突破してくる式姫を倒すのにも当然魔力を使う。……既にやられた三人も、守り続けないといけないし)」
ただ包囲されただけならば、一度包囲を突破すれば問題がない。
しかし、それが出来ないのは戦闘不能になった織姫、帝、なのはがいるからだ。
応急処置で命に別状はないが、守り続けないといけない状況になっている。
「(なのはちゃんの砲撃で後衛の式姫はそれなりに倒した。前衛もいくらか倒したし、三人が戦闘不能になっても、マイナスよりだけど実質プラマイゼロ……とは、思えないかな)」
当人たちにすれば、上手く攻防が出来ていると司は思う。
しかし、一度視点を切り離して状況を見れば、完全に防戦一方だった。
全ての行動に対し、受け身の態勢になり、反撃以外で式姫に攻撃していなかった。
「(このままだと、押し負ける。何か、別の行動を起こさないといけない)」
魔力弾で牽制しつつ、司は思考を巡らせる。
「(スピードなら、フェイトちゃんと奏ちゃん。ユーノ君とアリシアちゃんに援護してもらえれば、そのスピードで式姫に隙を作れるはず。そこを他の皆に突いてもらえば……!)」
そこで、ふと司は奥の方にいる式姫が目に入る。
その式姫の女性は、ふわふわとした桃色の髪に、司には見えなかったが赤と青のオッドアイを持ち、眩いばかりの満面の笑みを浮かべていた。
……尤も、そこから感じられる霊力は恐ろしいものだったが。
「ッ……!!シュライン!!」
〈“Barri?re”〉
ドォオオオオオオオオン!!
冷たい感覚が司の背中を駆け巡る。
その悪寒に促されるように、全員を守るように上に障壁を張る。
その瞬間、落雷のように極光が降り注いだ。
「ぐぅううっ……!!」
その威力に、司は驚く。
まるで、織姫が放っていた慈愛星光にも劣らない威力。
疲労が積み重なっているとはいえ、司の障壁でも負担がかかるほどだった。
「あれは……伊邪那美!?」
「まずいな……。神話系の式姫が他にも残っている。今まで動かなかったのは、あのような威力を発揮するためか……!」
その式姫が誰か知っている鈴と悪路王が、焦りを見せる。
“神話級”。それは数多くいる式姫でも最上位に位置する式姫の事だ。
その式姫は、全員が有名どころの神の分霊だ。
神話級とあって、その力も神の如き強さである。
一斉召喚による力の制限があったとしても、驚異な事に変わりはない。
「『っ……フェイト!奥にいる式姫の足止め……!』」
「『うん……!』」
すぐさま、奏とフェイトが動く。
猛スピードで式姫の間を駆け
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