第六十三話 天津神の場所でその五
[8]前話 [2]次話
「所詮はな、ではな」
「はい、それではですね」
「我々はそのことを踏まえて」
「そしてですね」
「政もですね」
「やっていくか、旗揚げをしたならな」
その時はというのだ。
「果たしていこう」
「そうしたことを踏まえた政を」
「是非共」
「そしてこの島を上手に治めていこう」
「さて、それではでござる」
智も英雄に言ってきた。
「間もなくでござる」
「来るな」
「はい」
まさにというのだ。
「巫女殿が」
「そうだな、一体どうした者か」
「楽しみでござるな」
こうしたことを話しているとだ、やがて。
大宮司が戻ってきた、そしてその後ろにだった。
巫女がいた、背は一五四程で黒のおかっぱにしている髪に細く切れ長のカーブを描いた眉の下に大きくやや垂れた目がある。
唇はピンクで小さめだ、白い巫女の着物から胸がかなり目立っている。赤の袴と白の足袋がコントラストを見せている。
その巫女を連れて来てだ、大宮司は英雄達に話した。
「こちらの方がです」
「巫女だな」
「はい」
「外の世界から来ました」
その巫女も言ってきた、少女の様な可愛らしい高い声だ。ここで大宮司と巫女は英雄達の前に座った。
そうして正対する形になってからだ、巫女はまた言った。
「外の世界では大学生です」
「八条大学だな」
英雄は巫女に問うた。
「そうだな」
「おわかりですか」
「俺達全員がそうだからな」
それでというのだ。
「それならだ」
「わたくしもですか」
「そうだと見たが」
「その通りです」
「やはりそうか」
「教育学部の二回生です」
「そのことも同じだな」
回生のこともというのだ。
「まさに」
「全て何か。神々の思惑がありますね」
「俺もそう見ている」
まさにとだ、英雄は巫女に答えた。
「そうな」
「やはりそうですか」
「そして次に聞きたいことだが」
「名前でしょうか」
亭々だが名古屋の訛りがある、そうした言葉だった。
「そうでしょうか」
「そうだ、何という名前だ」
「宮田紅葉といいます」
「宮田紅葉は」
「そうです、教育学部は幼等科でして」
「小学生を教えたいのか」
「保育士の課程も受けています」
こちらもというのだ。
「そうしています」
「保育園にも入りたいか」
「そうも考えていまして」
「そうか、しっかりしているな」
「そうでしょうか」
「そう思う、俺はそこまでは考えていない」
自分の将来のことはというのだ。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ