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黄金バット 第二十二話 黒バット日本アルプスの死闘
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「佐々成政さんか自衛隊の人達しかいないんじゃないか」
「確かに」
「若し出来るとすれば」
「佐々成政さんか自衛隊の人達ですね」
「ですがあの吹雪では」
「それはわかっているよ、若しもだよ」
知事さんはまるで自分が行く様な、とても険しいお顔で言うのでした。
「自衛隊の人達が行けないそして黒バットを倒せないならね」
「その時はですね」
「最早」
「うん、諦めるしかない。いや」
知事さんは必死のお顔でこうも言いました。
「私が行く」
「知事が」
「そうされますか」
「これでも害獣許可は貰っているんだ」
銃を持てるならというのです。
「それならだと」
「知事ご自身がですか」
「行かれますか」
「一人でも行ってそしてね」
例え自衛隊の人達が無理でもというのです。
「黒バットを倒してくるよ」
「確かに知事はスキーがお好きですし」
「この長野で生まれ育ってこられていますし」
「冬の登山の経験も豊富です」
「長野の山のこともよくご存知です」
「ですが」
あまりにも危険だとです、お役人さん達は知事さん達を止めようとしますが知事さんは本気でした。県政を任された者として。
そうした強い決意の中自衛隊の人達に黒バットをやっつける為の要請が届きました、するとすぐに自衛隊は動いてくれました。
日本アルプスに山仕事と狙撃が得意な人達が部隊で送られて戦闘機やヘリの出動も準備されました、そうしてです。
黒バットをやっつけに行きましたがあまりもの吹雪の前にです。
ヘリも戦闘機も流石に黒バットまで届けません、それで言うのでした。
「この悪天候だと」
「進むのがやっとだ」
「黒バットまで辿り着けても」
「狙いを定められるかどうか」
自衛隊の兵器と操縦するパイロットの人達はとても優秀で黒バットが出している吹雪でも何とか前に進むことが出来ます、ですが。
それでもです、肝心の黒バットは発見しました。日本アルプスの中央部にその姿がありました。ですが。
吹雪の中ミサイルや機関砲で攻撃を加え様にもです。
黒バットの周りは吹雪がとりわけ激しく吹き荒れていてとても近寄れたものではありません、それでなのでした。
とても照準を定められません、幾ら自衛隊の人達でも攻撃射程に入るのがやっとです、そしてそれはです。
険しい吹雪の日本アルプスを進んできた狙撃部隊の人もです、何とか黒バットを照準に入れる距離まで辿り着いたのですが。
そこからはです、とてもでした。
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