317部分:第二十四話 過ちその一
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第二十四話 過ちその一
第二十四話 過ち
星華は三人を連れてだ。その日の朝最初に月美に対して言った。
「あのさ」
「はい?」
月美は丁度椎名と朝食を食べていた。パンを両手に持ってそのうえで口に運んでいるがそれを止めて彼女に応えたのである。横で椎名が目を光らせている。
星華達はその椎名に警戒を抱いていた。それで声のトーンと勢いをわざと殺してだ。そのうえで月美に対して話をするのだった。
「今日の最後だけれど」
「はい」
「後片付け御願いできる?」
こう彼女に言ったのである。
「それ。駄目?」
「いえ、後片付けですよね」
「ええ、そうよ」
その通りだと月美に返す。
「それだけれどね」
「それは皆でやるって決まってますし」
「違うわよ、やる場所とかよ」
話すのはそれだった。
「倉庫担当して欲しいのよ」
「倉庫ですか」
「あそこをね。御願いできる?」
「担当は」
「最初は私だったけれど」
州脇が出て来て話す。
「ちょっとバレーの部活の方で用事が入って」
「それでなんですか」
「そういうことだからね」
やや高圧的に月美に言う。
「わかったわよね」
「え、ええ」
月美はいつも通り弱気な声で返す。
「それじゃあ」
「わかったわね。それじゃあ」
「私も」
「私もだし」
橋口と野上もそうだと言うのだった。
「それじゃあいいわよね」
「私達の分もね」
「それで私もね」
ここで星華も言ってきた。
「その時間駄目だから」
「四人共ですか」
「そういうこと。だから御願いね」
星華が代表して話した。
「倉庫の方ね」
「はい」
星華は四人の言葉に弱気なこえで答えた。しかしであった。
椎名は違った。その四人をじっと見てだ。そのうえで言うのだった。
「おかしい」
「おかしいって何がよ」
「四人共そうなんておかしい」
こう言うのである。
「部活も違うのに」
「何よ、疑ってるっていうの?」
「うん」
その通りだと。星華の問いに返した。
「そうだけれど」
「けれど本当なんだからね」
困った顔で何とか返しはした。
「私だってね。色々と忙しいのよ」
「一人ならわかる」
「一人ならて」
「ただし。四人ともなると」
「信じられないっていうのね」
「その通り。ねえつきぴー」
星華達に言ってからだ。月美に顔を向けて言った。
「断ればいい」
「断ればいいって」
「そう、あからさまにおかしいから」
だからだというのである。
「断るべき」
「ええと、けれど」
「何か裏がある」
また言う椎名だった。
「どうせ仕事押し付けようとか」
「うっ・・・・・・」
図星だった。それを言われた星華
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