第四十五話 二学期になってその十
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「暫くそっちに神経がいってるの」
「そうなのね」
「当たり前じゃない、大学に落ちたら」
もうそう思うだけで、です。
「将来どうしていいかわからないし」
「ううん、一年浪人とかね」
「専修科もあるし本部勤務もあるけれど」
「大学でおみちのことお勉強しようって思ったらね」
「やっぱり大学かしら」
「そう、だからね」
そう思うからです、私自身も。
「かなり勉強してるの」
「それで神経もなのね」
「そっちにいってるのね」
「そうなの」
本当に最近考えることは第一には受験になっています、受験生ですから当然と言えば当然でしょうが。
「まずは受験よ」
「それが終わるまでは」
「そういうことね」
「そうよ」
こう答えました、そしてです。
私は二学期の生活をはじめましたが寮では時間さえあれば受験勉強でした。休日でもそれは同じで。
ずっと勉強していました、それで詰所に用事があってお邪魔してそのうえで詰所におられる大教会長さんの弟さんにこんなことを言いました。
「何かどんどん気持ちが焦って」
「大変みたいだね」
「はい」
こう答えました、お名前を治良さんといいます。
「あと少しで受験ですから」
「そうだね、推薦だよね」
「そうなんです」
「僕もそうだったよ」
詰所の事務所の中から私にお話してくれます、私は事務所のカウンターのところに立っています。
「推薦だったけれど」
「油断出来ないですよね」
「そうそう、何かとね」
「よく成績のことで大丈夫って言われますけれど」
「油断はね」
「禁物ですね」
「そう、千里ちゃんなら大丈夫と思うけれど」
それでもと言ってくれました。
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