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麗しのヴァンパイア
第五十三話

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                   第五十三話  歌ってみて
 クラウンの七人は華奈子が作詞して美奈子が作曲した曲を春奈の提案通りに演奏してみた、するとだった。
 かなり上手くいっていてだ、二人はそれぞれ歌い終わってから言った。
「あっ、これはね」
「いいわね」 
 美奈子も言ってきた。
「歌いやすくてね」
「演奏にも乗れるしね」
「華奈子のサックスかなりいいわ」
「美奈子のフルートだってね」
 二人で笑顔で話す、リーダーの梨花も二人のその様子を見て述べた。
「そうね、二人の息もぴったりだしね」
「これでいいんじゃないかしら」
「そうよね」
 美樹と赤音も二人で話した、それも笑顔で。
「実際に演奏して歌ってみたけれど」
「悪くないわ」
「後はうち等のコーラス入れるけど」
 亜美はこちらの話もした、クラウンはヴォーカルの二人だけでなく残り五人のコーラスもここぞという時に入れるのだ。
「それはまあ大体」
「ええ、曲のここぞって時に入れるから」
 春奈もこう述べた。
「すぐに決められるわね」
「おおよそこれでいいわ」
 梨花はまたリーダーとして言った。
「曲はね」
「それじゃあね」
「路上ライブでもこれでいくのね」
「そうしましょう、コーラスのところも決めてだけれど」
 路上ライブをするのはというのだ。
「けれどね」
「この感じでいくことは気まりね」
「もうこれで」
「そうなるわ、さてそれじゃあね」
 さらに言う梨花だった。
「これからはコーラスの場所決めましょう」
「それじゃあね」
 華奈子が応えた、コーラスのところも決まってそのコーラス入りのバージョンも演奏して歌ってだった。
 それもよかったので話は終わった、これでこの日のクラウンのバンドとしての活動は終わったのだが。
 今田先生と今日子先生は違った、この日の夕食は恭子先生の紹介でフランス料理のレストランに入っていたが。
 そこでだ、今日子先生は今田先生に言った。
「ちょっといいかしら」
「あの人のことね」
「ええ、そうよ」
 こう切り出してだ、そのうえで話すのだった。その話すことは二人だけの極めて真剣なものであった。


第五十三話   完


                   2018・5・23
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