第五幕その十一
[1/2]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
昨日の午前のティータイムの時にです。
「それもよかったよ」
「ああ、実は僕薔薇の花びらをワインに入れて」
「そうして飲むんだね」
「この飲み方を聞いたけれど」
「それもいいね」
先生は王子がお話したその飲み方について笑顔で応えました。
「ワインの簡単なカクテルだよ」
「そうだよね」
「うん、そして奇麗なね」
「そうした飲み方だね」
「そう思うよ、僕も今度そうして飲んでみようかな」
ワインをというのです。
「そうしようかな」
「それもいいね、じゃあね」
「それじゃあだね」
「うん、今夜はワインを飲もうかな」
「薔薇の花びらを入れてだね」
「そのうえでね。そしてジャムは」
パンに付けるそれはといいますと。
「薔薇にしようかな」
「いいね、薔薇のジャムだね」
「それにしようかな」
「じゃあ僕もね」
「今夜はワインだね」
「そしてパンにはジャムを付けるよ」
そのジャムはといいますと。
「薔薇のジャムをね」
「僕みたいにだね」
「してみるよ」
「あの、王子」
ですがここで執事さんが王子に言ってきました。
「今宵はエジプトのお嬢様と会食ですが」
「あっ、そうだったね」
王子も言われて気付きました。
「あちらの要望でね」
「今宵はしゃぶしゃぶです」
「神戸牛のね」
「ですからジャムは」
「うん、しゃぶしゃぶといえば御飯だからね」
「しゃぶしゃぶにワインはいいとしまして」
これはというのです。
「ですが主食は御飯なので」
「それでだね」
「ジャムは」
「うん、じゃあ今度にしようかな」
「それが宜しいかと」
こう王子に申し上げるのでした。
「やはり」
「じゃあそうするよ」
「しゃぶしゃぶか、いいね」
先生はしゃぶしゃぶと聞いて目を輝かせて言いました。
「あれも素敵なお料理だね」
「うん、牛肉の食べ方としてね」
「美味しい食べ方の一つだよ」
「すき焼きと並んでね」
「変な料理漫画でどっちもまずい食べ方だって言ってたけれど」
王子にもこの漫画のことをお話した先生でした。
「あの漫画はもう一から千までおかしな漫画だから」
「ああ、あの百巻以上続いてる新聞記者が主人公の漫画だね」
「王子も知ってるね」
「知ってるよ、主人公が気に入らないとお店の中で大声で文句を言うなんてね」
王子は眉を顰めさせてこう言いました。
「野蛮なことこの上ないよ」
「とてもね」
「何ていうかあの漫画はね」
それこそというのです。
「短気で下品で無教養な野蛮人ばかり出るからね」
「そうだね、登場人物がどうもね」
「普通におかしな人達ばかりだよね」
「王子の言う通り短気で下銀で無教養な人ばかり出るね」
「主人公も周りの人達もね」
「あれもおかし
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ