第三章
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「これは」
「はい、そうですよね」
「こうしたホラーも最近あるんだよね」
「妖怪とか幽霊出さなくてもですね」
「うん、ゾンビもあるけれど」
ゾンビものは定番と言っていい。
「こうしたのもあってね」
「殺人鬼とかですか」
「頭のおかしなね」
「こういうのが一番怖いですね」
実際にとだ、日向は言った。
「というかです」
「読むんじゃなかったってだね」
「正直思いました」
「俺いいですから」
如月が言ってきた、見ればその漫画から視線を必死に外している。
「こういうのは」
「ああ、御前ホラーでこういうのは苦手か」
「そうだったんだね」
「はい、もう苦手で」
それでというのだ。
「こうしたサイコ殺人鬼とかの話絶対無理です」
「だからか」
「そうなったんだね」
「ほら、妖怪とか幽霊ってコミカルだったりするじゃないですか」
「特に妖怪はな」
「そうだよね」
「実際にいても別に怖いと思わないです」
彼にしてもというのだ。
「そういうのは。けれどそうした連中マジでいますよね」
「残念だけれどね」
マネージャーは如月にこの事実を話した。
「こうした話本当にあるよ」
「たまたま会った人をぐちゃぐちゃに殺したり」
「そうしたおかしな人がいるのも世の中だからね」
「俺そういうの駄目なんで」
「現実の人間の狂気はだね」
「読んでると吐き気と寒気がします」
そこまで駄目だというのだ。
「ですから」
「駄目なんだね」
「はい、ですから」
「この漫画はだね」
「駄目です、読んで後悔しています」
「実際に殺してるしな」
日向も読んでいるからこそこう言えた。
「洒落になってないな」
「ああ、しかもバラバラにしてるよな」
「そうとしか思えないな」
その描写ではだ。
「こうした狂った人間は駄目か」
「俺はそうなんだよ」
「わかったよ、じゃあこれからこうした話が関わる仕事にはね」
マネージャーもすぐに言った。
「如月君には紹介しないから」
「それでお願いします」
「ドラマでも何でもね」
「冗談抜きでそういうの駄目なんで」
如月はまた言った、そしてだった。
彼は二度とその漫画を読まなかったしそうした系列の仕事はドラマでも何でも受けなかった。だが妖怪や幽霊、超常現象に宇宙人やUMAは平気で。
そちらの仕事では豊富な知識も活かして活躍出来た、それで問題なくタレントとしての人気も上がっていった。
NGの仕事 完
2018・7・23
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