第一章
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NGの仕事
如月夕也は自分をこの世界に誘った日向と共に相鳥ユニットのメンバーとして活動している。歌もダンスも素晴らしくまた知識派としてもクイズ番組で定評がありタレントとしての評価はかなり高かった。
その為必然的に仕事も多かった、しかし。
その彼にだ、マネージャーはこの日この仕事の話を持ってきた。
「今度ミステリ―番組の出演が来たよ」
「ミステリー?」
「そう、ミステリーのだよ」
マネージャーは彼に明るく話した、見れば日向も一緒だ。
「依頼が来ているんだ」
「ミステリーっていいますと」
如月はその眉を曇らせてマネージャーに尋ねた。
「どんな感じですか?」
「ああ、宇宙人とかUMAとかね」
「UMAっていうとネッシーですか」
「うん、ネッシーも出るし」
マネージャーは怪訝な顔で自分に尋ねた如月に答えた。
「あとタキタロウもね」
「あのお魚ですか」
「東北の方にいるね」
「そうですか、それならです」
如月はマネージャーの話を聞いてほっとした顔になった、そのうえで彼に対してあらためて言った。
「宜しくお願いします」
「俺もです」
これまで黙っていた日向も言ってきた、見れば茶髪で小柄で如月とは違うタイプの美少年である。顔立ちは溌剌としている。
「お願いします」
「二人共それぞれのよさで番組盛り上げていってね」
マネージャーは日向にも言った、そうしてだった。
如月は日向と共にその番組に明るく出た、その時も如月の知識は光り番組置かれ自身もよくした。だが。
収録の後でだ、マネージャーはスタジオを出て車で移動する時に運転をしつつ後部座席に日向と共にいる如月に尋ねた。
「あの、気になったことがあるけれど」
「何ですか?」
「如月君最初にこのお仕事の話持って来た時警戒しなかった?」
「そのことですか」
「あっ、自分で認めるんだ」
マネージャーは如月の今の言葉からそのことを察した。
「そうなんだね」
「ええ、実は」
「ミステリー苦手なんだ」
「そうじゃないです」
「あれっ、けれど今」
「あの、別に宇宙人とかはいいんです」
そしてUMAはというのだ。
「そうしたものは。あとは」
「あとは?」
「妖怪とか幽霊はいいんですよ」
こうしたものもというのだ。
「俺的には」
「じゃあ問題ないんだ」
「まあミステリーは」
「じゃあ何が問題だったのかな」
「まあそれは」
そこは誤魔化した如月だった、そしてここで日向が車窓から見えるガストの話をしたので三人はそこに話題を移した。
だが如月が何を苦手なのか、日向もマネージャーもすぐにわかった。
ある日のことだ、二人にファンのプレゼントである漫画が贈られていた、そこには二人にも読んで欲
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