311部分:第二十三話 嫉妬と憤怒その五
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第二十三話 嫉妬と憤怒その五
津島は今その作品を話に出して話すのだった。
「ラーメンは人類の味の友って」
「それと同じか」
「そういうことよ。あの漫画の主人公ってやたらラーメン食べてるわよね」
「それとステーキだよな」
「その二つしか食べていない気もするけれど」
こうも言う津島だった。
「まあとにかくね」
「ああ、ケーキはか」
「人類の永遠の友達。それを作ることでは負けないから」
目が燃えていた。今度は何処かの野球漫画の主人公のようである。
「絶対にね」
「そうか。それじゃあな」
「ケーキじゃ負けないから」
見ればその店のケーキもあった。その味はだ。
二人共食べてだ。こうは言った。
「美味しいな」
「そうね」
「食べたら余計にか」
「負けたくなくなったわ」
こんな話をしていた彼等だった。彼等も幸せな時間を過ごしていることは過ごしていた。
しかしであった。そうでない面々もいた。
星華達は今それぞれ異なった格好をしていた。幽霊だったり化け猫だったりろくろ首だったりしている。星華は雪女になっている。
その姿でだ。不機嫌な顔で話していた。
「全くね」
「そうよね、何かね」
「面白くないよね」
まずは州脇達三人が話す。
「全く。あいつは出て来るし」
「西堀に押し付けられなくなったし」
「お陰でこうしてお化け屋敷もしないといけなくなったし」
不平不満に満ちた言葉であった。
「遊びに行きにくくなったしね」
「全くね」
「何でこうなるのよ」
そしてだった。星華も言うのだった。
「ねえ」
「うん」
「どうしたの、星華ちゃん」
「それで」
「今日これ終わったらだけれど」
不機嫌な顔のままでの言葉であった。
「いいわよね」
「仕掛けるのね、相手に」
「いよいよね」
「キャンプファイアーのこと」
「西堀が何だってのよ」
目を怒らせての言葉だった。
「絶対に私がね」
「そうよ、だからよ」
「ここで意地を見せてよ」
「気合も」
「明日誘うわ」
このことも決めていたのだった。
「明日ね」
「じゃあ今日はどうするの?」
「それで」
「スケジュールだけれどね」
星華がここで話に出したのはそれだった。
「変えましょう」
「スケジュール?」
「それを?」
「そう、それよ」
まさにそれだというのである。
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