第56話
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かする為よね?」
リィンやセレーネと対峙したクルトは目を伏せて黙り込み、アルティナとゲルドは静かな表情でリィンとセレーネに目的を確認した。
「ああ………だが今回、君達の同行を止めるつもりはない。」
二人の問いかけに頷いたリィンの答えを聞いたクルト達はそれぞれ驚いた様子でリィンとセレーネを見つめた。
「フフ、そんなに驚く事はないと思いますわよ?以前に約束した事もありますが、昨夜の”道化師”との戦いも一歩も退かずに、互角以上に戦ったのですから今の皆さんでしたら、決して足手まといになりませんわ。」
「だが――――このままユウナを放っておいてもいいのか?」
クルト達の反応にセレーネが苦笑しながら答えるとリィンは真剣な表情でクルト達に問いかけた。
「…………それは…………」
「…………とても放っておけません。」
「今、ユウナを放っておいたら、多分ユウナはもう2度と立ち上がれなくなるわ。」
「………演習先が決まった時からずっと無理をしてたんだろう。帝都内に家族もいることだし、一時帰宅を勧めてもいいんだが………だが――――こんな時だからこそ彼女自身に気づいて欲しいんだ。第U分校生として、クロスベルを愛する人間として今、何をすべきなのかを。そしてできれば――――4人揃って追いかけてきて欲しい。」
「…………あ…………………」
「僕自身、迷いもありますが………了解しました。」
「………必ず、ユウナと一緒に教官達に追いつくわ。」
リィンの頼みにアルティナは呆けた後静かな表情で頷き、クルトとゲルドは決意の表情で頷いた。
「ああ、頼んだ。――――それとできれば”伝言”を頼みたいんだが……」
そしてリィンとセレーネがアルティナ達に何を伝えている様子をアリサ達は見守っていた。
「………新Z組か。いいクラスじゃないか。」
「そうね。迷い、悩んでそれでも前に進んで……」
「ふふ、それが未来の自分を形作っていくんですよね。」
「アンタたちも大概、迷いまくってたもんねぇ。」
「ふふっ、アルティナ様達もきっとお嬢様達のように未来の御自分を見つめられるでしょうね。」
リィン達の様子をシャロンは旧Z組のメンバーと共に微笑ましそうに見守り
「うふふ、セシリアお姉さんも鼻が高いのじゃないかしら?教え子が立派な教官になっているのだから♪」
「いいえ、私からすると”まだまだ”ですが………新米の教官としては、”上出来”の部類だと思っています。」
「そうですね……新米でありながら着任して僅か2ヵ月弱で生徒達にあそこまで慕われる教官は滅多にいませんものね。」
「ふふっ、あの様子では新旧Z組が揃って協力する事が訪れる日が近いかもしれないわね…
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