310部分:第二十三話 嫉妬と憤怒その四
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第二十三話 嫉妬と憤怒その四
「それじゃあな」
「で、何を言うのかしら」
「おい、いいよな」
ムキになった調子で津島に言う。
「キャンプファイアーな」
「ええ」
「一緒に行くか」
こう告げたのだった。
「それでいいよな」
「ええ、聞いたわ」
「ちぇっ、何でこうなるんだよ」
「これが駆け引きってやつよ」
「駆け引きかよ」
「そう、それよ」
津島はにこにことなった顔で彼に話す。
「それなのよ」
「ううむ、何か俺やられたか?」
「どっかの馬鹿官房長官よりはましな駆け引きだったけれどね」
「あいつは馬鹿にも程があるだろ」
「まあね。あんたあいつよりはずっとましだから」
「全然褒められてる感じがしねえな」
首を捻りながら話す狭山だった。
「まあそれでもな」
「それでも?」
「まあいいか」
こうも言う彼だった。
「それでな」
「そうよ。キャンプファイアーで一緒に踊ったらね」
「そのカップルは幸せになるってか」
「その話は聞いてるわよね」
「一応な」
「だからね。踊りましょう」
今度は津島からの言葉だった。
「いいわね」
「ああ、わかったさ」
また応える狭山だった。ここでカツサンドを食べ終えた。
そして今度はだ。ハムサンドを食べるのだった。
そのハムサンドを食べてだ。彼は言った。
「なあ」
「何?」
「ここのサンドイッチ美味いよな」
津島に今話すのはこのことだった。
「学校の売店のこれな」
「そうよね。美味しいわね」
津島は今はハンバーグサンドを食べていた。それを食べながらだった。
「はじめて食べたけれど」
「パンとかの種類もそれぞれの数も多かったしな」
「そうよね。いいお店よね」
「御前の家の関係者とかじゃないよな」
「ああ、また別の系列よ」
それは違うというのである。
「確か八条グループのね」
「そっちのかよ」
「そうよ、そっちのね」
八条高校自体が八条財閥が所有する大学である。理事長は八条家の当主である。そうした関係がここでも生きているのであった。
「だからね」
「ああ、そういえば八条百貨店のパン屋も」
「美味しいって評判よね」
「そうだよな。同じ系列だからか」
「そうね。それに」
「それに?」
「ハンバーガーやドーナツもあるし」
そうしたものもあるのだった。
「中国の餅とか包とかお饅頭までね」
「とにかく何でもあるんだな」
「そうね、何かそういうの見たら」
「対抗心でも湧いたか?」
「ええ、負けないわよ」
ケーキ屋の娘としての意地がだ。ここでもたげていた。
「ケーキだってあったし」
「ケーキもな」
「ケーキはね。人類の永遠の友達なのよ」
こんなことまで言う椎名だった。
「ステーキ
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