暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜剣と槍のファンタジア〜
ソードアート・オンライン〜剣の世界〜
3章 穏やかな日々
21話 将来の旦那さん?Part1
[3/4]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


 トレードウィンドウを開き、ツカサはいつもと同じ金額を入力し、サーシャにお金を渡す。彼女は深々と頭を下げ、礼を言った。


 部屋の隅にあるいつものテーブルに腰を下ろすと、サーシャがお茶を淹れてくれる。ふんわりと花の香りがするそれを口に含みつつ、口を開いた。


「最近の街の様子はどうですか?」

「相変わらず、軍の連中が大きな顔をして歩き回っている次第です。それに、最近税金とか言って、住民から恐喝紛いのことをすることもあります」


「税金?」

「ええ。この街に住んでいる私たちを守ってやっているから、お金を払うのは当たり前だろうというのが、向こうの言い分らしいです」


「…最悪なほうに転がってきたな…」


 ツカサは険しい顔で、カップの中のお茶を見つめる。


 さすがに、いくら2人に権力的な強さや、物理的な強さがあるにしろ、軍をつつくのはよろしくないというのが、リアとツカサの見解である。何しろ、軍が抱えている兵士の数は、すでに千を超えている。全員が全員、今の司令塔に従っていないにしろ、2人だけでは分が悪すぎる。そう思い、今まである程度放置だったわけだが…

「そこまで来ると、何らかの手を打たなければいけないかもな…」

「何から何まで頼りっきりで本当にすみません…」

「いえ、これは俺とリアが好きでやっていることですから」



 その権力を振りかざし、戦闘能力を持たない住人を虐げるなど、あってはならない行為だ。ツカサは憤りを感じる。これから、何らかの策をリアとともに考えなければ…と、ツカサが思考にふけりかけたその時だった。


「先生!ミカがどこにもいない!」


 子供の甲高い声が耳に入り、顔を上げる。髪をツインテールにした7歳ぐらいの女の子がサーシャに向かって訴えていた。


「さっきから探してるけど、どこにもいないの!」

「ミサキ、何か心当たりはないの?」

「さっき、ギンたちがミカに何か言ってたよ!」


 サーシャの顔色が悪くなる。

「何か心当たりがあるんですか?サーシャさん」

「ミカという子は最近うちに来たばかりなのです。この間、同伴者の大人を亡くして、街をさまよっているところを保護しました。でも、まだここの子たちとなじめず、時々ひどいことも言われていたようなんです。きちんとギンたちには言い聞かせていたはずなんですが…私の管理不足です…」

 サーシャはうめくように状況を説明してくれた。聞いたことがない名前の子だと思っていたツカサも、その説明で納得する。

「外は軍の連中がうろついていて危険なのに…!」

「俺が探してきます」


 ツカサは立ち上がりながら、武装を確認する。いつも通りだ。



[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ