機動戦士ガンダム
2113話
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そんなに気にするな。上にしてみれば、まさか俺が……シーマ艦隊がここまで活躍するとは思ってなかったんだろ。その意趣返しってところか」
もしくは、アサクラが艦隊の運営をシーマに丸投げしていたのだが、周囲に知られてしまい、それを何とか隠しておく為の工作か? そう考えても、特に不思議はない。
『だが!』
「落ち着けって。それに、これは俺達にとっては決して悪い事だけな訳じゃないしな」
アサクラにとっては完全に予想外だったのだろうが、この判断は今回に限っては俺にとってもシーマ艦隊にとっても、決して悪い事ではない。
航行不能になって拿捕したサラミス級やマゼラン級、コロンブス級は、それこそ自分達で使う為に曳航するにも相応の労力と時間が必要となる。
勿論その労力と時間をどうにかする事により、最終的に得られる利益は大きくなるのだが……正直なところ、近々ジオン軍を抜けてルナ・ジオンに所属する事が決まっている身としては、サラミス級やマゼラン級はそんなに欲しくはない。コロンブス級は輸送艦として少しだけ魅力的だが。
技術標本的な意味でそれぞれ数隻ずつは欲しいが、それはルナ・ジオンを建国した後でも入手は出来るだろう。
ルナ・ジオンの建国を公表すれば、間違いなく連邦はちょっかいを出してくるのだから。
それに、今のところの狙いとして、フォン・ブラウンを始めとした各種月都市は、連邦に貸すという形になる訳だし。
その際に受け取る報酬を考えれば、サラミス級やマゼラン級、コロンブス級程度、それこそダース単位で渡してきても不思議はない。
『……本当に、よいのか?』
「ああ。寧ろこっちとしては後処理をしなくてもいい分、助かると言ってもいいしな」
『分かった。ムウ少尉がそこまで言うのであれば、私もこれ以上は何も言わん』
「そうしてくれ。今ここでガトーが騒いだりしても、色々と怪しまれるだけだしな」
そうして短く言葉を交わし終えると、ガトーは2機の仲間と共に去っていく。
さて、上手い具合にガトーを味方に付ける事にも成功したし、今回の目的は大体成功したと言ってもいい。
そうなると……これから俺達はどうするんだろうな。
そんな風に考えつつ、俺は格納庫に戻るのだった。
「……は? 帰る?」
機体を格納庫に戻した後、シーマが呼んでいるという伝言を受けた俺は、そのままブリッジにやって来た。
そうして、何の用件なのかと聞いてみた俺にシーマが言ったのは、マハルに帰るという事だった。
「そもそも、このシーマ艦隊は突撃機動軍の所属だろ? だとすれば、帰るとなったらサイド3じゃなくてグラナダじゃないのか?」
「今回の一件で、アサクラも色々と危険な状況になってるんだろうね」
嬉しそうに……それはもう、本
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