306部分:第二十二話 文化祭その十一
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た。目は血走り何か得体の知れないものもそこにはあった。
「もう、徹底的にやってやるから」
「あの、星華ちゃん」
「ちょっと」
三人はそんな彼女に気付いてだ。戸惑いながら声をかけた。
「ここはね」
「落ち着いてね」
「わかってるわよ」
言葉ではこう返しはした。しかしであった。
親指の爪を噛み目を血走らせたまままた言う。
「斉宮はね」
「そうよね、好きなのよね」
「だったら」
「何があっても言うから」
最早周りは何も見えていなかった。
「それで。絶対に」
「アタックしてね」
「何があっても」
「振り向かせてみせる」
強い決意だけはあった。
「何をしてでも」
「ううん、それはいいわ」
「そうね」
三人は今の星華に不吉なものを感じた。それで言葉が弱くなっていた。
しかしである。星華はまだ言うのだった。
「斉宮は私のものだから」
こう言ってであった。彼女は周りが完全に見えなくなっていた。そしてそれがだ。彼女自身を奈落に落としてしまうことになるのであった。
第二十二話 完
2010・9・24
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