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ラジェンドラ戦記〜シンドゥラの横着者、パルスを救わんとす
第一部 原作以前
序章 シンドゥラ編
第四話 長兄豹変
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して、「もうお前とは遊ばん。ここにもお前は来るな」とまで言われちまった。沸点の低いこの兄をからかっては、手を出してきた兄の攻撃をことごとく華麗に避けまくると言うひどく楽しい遊びが出来なくなるってのは、実に残念だったなあ。まあ、乳兄妹のラクシュにそれを言ったら、「王子、本当に性格悪いですね。ガーデーヴィ様の心中を察するに余りあるって感じっすよ」と呆れられちまったけどな。
兄が豹変するきっかけとなった事件は、考えてみると、そんな流れの中で起こったのかもしれない。
◇◇
全く、王家の長子と言うのも楽なものではない。面倒事ばかり起こす愚弟がいる場合には尚更だ。
あいつのせいで、私の支持基盤である父上の側近たちや、国都周辺の豪族たちは阿鼻叫喚の地獄絵図になっている。
汚職が明るみになり、公職から追放された者、
連座させられるのから逃げようとする者と、逃すものか道連れにしてやると叫ぶ者、
資産のことごとくを奪われ、最早首をくくるしかないと嘆く者、
それ程までに王権が大切か!我々が力を蓄えるのがそんなに目障りかと私に食ってかかる者、
世襲宰相殿、味方面をしておきながら貴方も我々の敵だったのですな。とぼけないで頂こう、王子たちが屋敷に入り浸っているのは知っておりますぞとマヘーンドラを詰る者、
知らん、私は何も知らんのだ!それに臣下の身で殿下たちを出入り禁止などに出来ようものか!と苦り切った顔で訴えるマヘーンドラ。
結局、我々の派閥は疑心暗鬼となって内部分裂し、内外に敵を増やす事になった。
敵の多さでは弟の側も変わりはないものの、公平で平民思いの王子様との声価が高まり、汚職を憎む清廉派官僚の間には密かに支持が広がりつつあるようだった。
おのれ、愚弟め、卑しい生まれの犬ころめが。こうなるのを見越しての行動か、何と油断も隙もない奴だ!
派手に悪罵を浴びせ、無関係であると強調したつもりだったが、周囲にはどこまで正しく意図が伝わったものか…。
矢面に曝されている事では私と同じだと思っていた父上は、「あれは息子どもが勝手にやっている事じゃ。儂を詰るのは筋違いじゃの」と言い放っているらしい。
ちょっと待て!何で私が弟と結託してやっている事になってるんですか!
抗議しに行こうとしていると、折悪しく、父上の正妻である王妃が亡くなったとの知らせが入った。服喪期間だ、国葬だと慌ただしい中でいつの間にか有耶無耶に。
それでも喪が明けてから父上の元へ伺うと、そこにあったのは、林立する酒杯と、山と積まれた怪しげな強精剤の数々。聞こえてくるのは…、女どもの嬌声?
父上め、いや、この糞親爺、面倒事から目を背けて、酒と女に逃げやがった!
そんな事をしている場合ですか、靴を蹴立てて国都に
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