第六十二話 伊勢の巫女その十
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「善神もいれば悪神もいます」
「そうだな、どの国でもな」
「日本でも八十神がいました」
大国主命の兄弟で彼を常に苦しめた八十柱の神々だ。
「荒ぶる神もいますし」
「悪神ではないがな」
「はい、神は様々です」
「多くの神がいるな」
「悪神、邪神、魔神とです」
様々な神がいるというのだ。
「います、そしてこの世界でも同じで」
「魔神というとな」
「海の魔神もですね」
「そうなるが。その神は」
何かというと。
「まだ誰も知らないな」
「その正体は」
「そうですね、しかし」
「魔神は魔神だな」
「まさに」
こう言ったのだった。
「神です」
「そうだな」
「はい、ですから」
「神は様々だな」
「このことも認識していれば」
謙二はさらに話した。
「違うかと」
「そうだな、神仏は様々だ」
「確かに存在していて」
「それをわかっていることだな」
「そう思います」
「わかった、ではな」
ここまで話してだ、そしてだった。
英雄は茶の最後の一口を飲んだ、そのうえで仲間達に言った。
「その神の場所に行こう」
「天照大神の場所に」
ここで応えたのは峰夫だった。
「参るのでありますな」
「そうしよう」
「では、しかし天照大神とは」
ここでまた言った峰夫だった。
「尊い神であります」
「我が国、この島でもそうだが」
「最高神の一柱です」
「そうだな」
「太陽の神です」
日本神話ではそうなっている、太陽神が女性であるというのは実はあまりなく日本はそのあまりない中にあるのだ。
「そして伊弉諾尊の子でもあるので」
「それだけにな」
「はい、非常にです」
まさにというのだ。
「位が高い神であります」
「そうだな」
「その神の世界に入るでありますが」
「自然と厳かな気持ちになる」
「はい」
峰夫はまた答えた。
「今も」
「そうだな、その神の懐に入れてもらおう」
「入れてもらう、ですか」
「そうだ」
まさにというのだ。
「そうしてな」
「そのうえで」
「神を感じよう」
「では」
峰夫も茶を飲み終えた、それでまた言った。
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