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レーヴァティン
第六十二話 伊勢の巫女その七
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「それだけのもので」
「お酒の方が安かったぜよ」
「それも遥かに」
 こうした状況が長い間続いたのだ。
「そうでした」
「そうだったのう、まっこと」
「それが五代十国にお茶を一大産業にした国があり」
 そうした国が実際にあったのだ、このことも当時の中国の面白いところでありここから大きなことがはじまったのだ。
「茶が流行りました、そしてティムールの軍勢はお水を絶対に沸騰させていましたが」
「白湯じゃのう」
「はい、白湯でしたが」
「あれは味気ないぜよ」
「その味気なさの為にです」
「お茶を飲む様になったんじゃな」
「そうです、このことからもお茶は広まりました」 
 特にアジア圏で広まることになったのだ。
「そして仏教でもです」
「ああ、それはわしも知っちょる」
 まさにとだ、当季はその茶を飲みつつ謙二に応えた。
「仏教の修行でじゃな」
「目覚ましに飲んでいました」
「そうじゃったな」
「はい、そこからも広まりました」
「そこから千利休さんが出て」
「日本全土に広まりました」
 茶道からだ、日本の茶は大規模に流行る様になったのだ。
「お茶の葉も畑が増えて」
「そうしてだったのう」
「お茶が広まりましたがそういえばこの島は」
「茶道はかなり普通でござる」
 智がこのことを話してきた。
「そうでござる」
「そうぜよ」
 当季もその通りだと応えた。
「この世界では茶道も普通ぜよ」
「そのこともありますので」
「この島ではお茶が普通の飲まれとるんじゃな」
「そうです、そして産業にもなっているでござる」
「成程のう」
「大きなことでござる、何気ない様でも」
「たかがお茶、されどお茶ぜよ」
「そうなるでござるな、お茶が飲めることは」
 このことはとだ、また言った智だった。
「非常に重要なことでござる」
「そうじゃな、ではな」
 さらに飲んでだ、当季は話した。
「このお茶と赤福を楽しんでからな」
「社に入りましょう」
「そうするぜよ、しかし何かこうして島を回ってものう」 
 今度はこんなことを言った当季だった。
「特に戦は起こってないぜよ」
「そうだな、西の島では領主同士の戦が絶えないが」
 英雄も言ってきた。
「この島は特にないな」
「そうじゃのう」
「しかしその代わりだ」
「何かあるぜよ」
「魔物が多い」 
 こうなっているというのだ。
「この島はな」
「そうなんじゃな」
「俺達が巡ってきた地域はそれぞれの勢力が拮抗していて対峙し合っているせいかかえって戦がないが」
 何処かを攻めればその隙に他の勢力に攻められてしまうからだ、そうした三すくみを遥かに複雑化させた状況にあるのがこの島の豪族達なのだ。
「魔物はその分な」
「多いか」
「案外凶暴な魔
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