第一章
[2]次話
何でもある店
その街には知る人ぞ知るアイテムショップがある、ある若い人間の戦士はその店の話を聞いてこう言った。
「何でもか」
「そう、何でもらしいんだよ」
今彼とパーティーを組んでいる魔術師が応えた、他には僧侶とシーフ、侍とビショップという編成だ。何処かのダンジョンに向いている数と編成だった。
その面々が酒場にいて飲みつつ話していてその店の話が出たのだ。
それでだ、戦士はその話を聞いて仲間達に言ったのだ。
「幾ら何でもな」
「何でもとはいかないか」
「そう言うんだな」
「そうだよ、魔法の品とかな」
それこそというのだ。
「ないだろ、神様のものとか」
「いやいや、それがな」
「その店は違うらしいんだよ」
「もう何でもあるらしいな」
「それこそな」
仲間達は戦士に言う、そしてだった。
その話を聞いてだ、戦士は仲間達に言った。
「それじゃあなその店に行ってな」
「それでか」
「そのうえでか」
「その目で確かめる」
「そうするんだな」
「これから」
「ああ、若しその話が本当なら」
戦士は仲間達に強い声で話した。
「俺も欲しいアイテムあるしな」
「それ俺もだよ」
「俺もだ」
「俺だってそうだ」
「俺だってそうだしな」
「俺にしてもそうだ」
仲間達もそれぞれ欲しいものがあった、それでだった。
パーティーはそのアイテムショップに向かった、すると。
可愛い外見だがそれでもだ、何か浮世離れした表情で頭に妙なアイテムを付けている店員がいた。店の壁や陳列棚にはアイテムがこれでもかとあった。
その店の中を見回してだ、パーティーは話した。
「それじゃあな」
「今からアイテム探すか」
「具体的にどんなアイテムがあるか」
「そうするか」
「いらっしゃいませ」
その店員が挨拶をしてきた、可愛いが気の抜けた感じの声だった。
「何をお探しでしょうか」
「はい、それですが」
まずがシーフが応えた、小柄だが細く引き締まった顔立ちである。
「マスターキー探しています」
「あのアイテムですか」
「はい、どんな扉も開けられる」
シーフはこの鍵は普通の店にはないだろうと思いつつ店員に話した。
「それはありますか?」
「どうぞ」
即座にだ、店員は金色に輝く鍵を出してきた。
「マスターキーです」
「あれっ、あるんですか」
「うちのお店にないものはないです」
店員はあっさりとした調子で答えた。
「ですから」
「マスターキーもですか」
「この通り」
あるとだ、店員はシーフに無表情の声で答えた。
「どうぞ」
「あのですね」
今度は侍が店員に言った。
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