301部分:第二十二話 文化祭その六
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第二十二話 文化祭その六
「そいつもいた」
「やばくないか?それって」
「かなり。だから何かあったら」
「ああ」
「赤瀬だけじゃなくて私も行く」
椎名もだというのだ。
「斉宮も来て」
「俺は剣道でか」
「はい、これ」
椎名はここで陽太郎にあるものを差し出してきた。それは。
特殊警棒だった。それを出してきたのである。
「これ使って」
「警棒?」
「そう、二段式の」
「これでぶん殴れってことか」
「肩打ったらそれで鎖骨折れるから」
「またえらく物騒だな」
「けれどそれが必要な相手だから」
だから出してきたというのである。
「持ってて」
「ああ、わかった」
陽太郎もそれに頷いた。そうしてだった。
警棒を受け取った。それを胸に収めた。
「いざって時はか」
「そう、来て」
「わかった。女の子に何かしたりしたら本当にやばいよな」
「本当にしてもおかしくない奴だから」
「そのうち少年院行くな」
「行くと思う」
また言う椎名だった。
「けれどそれで犠牲者は出させない」
「この学校じゃな」
「そういうこと。じゃあ」
「ああ」
「つきぴーのところ行ってきたら」
椎名はダイレクトに話した。
「今から」
「月美か。お化け屋敷だよな」
「そう」
「元気でやってるかな」
陽太郎は首を捻りながら言った。
「ちょっと見てくるか」
「途中まで一緒に行くから」
「お化け屋敷の前までか」
「後は二人でいればいい」
さりげなくではないが気を回しての言葉だ。
「それじゃあ」
「悪いな、何もかも」
「気にしなくていいから」
それはいいというのであった。
「ただ。つきぴーを楽しませて」
「ああ、わかったさ」
陽太郎は椎名の今の言葉には笑顔で返した。
「じゃあ行くか」
「うん」
こうして二人はそれぞれ執事、占い師の姿のまま四組に向かった。そこはすぐ隣だった。そしてその前に行くとであった。
「ちょっとあんたね」
「そうよ。何処行ってたのよ」
「店番でしょ」
「何やってたのよ」
「何って・・・・・・」
月美がだ。店の前で星華達に囲まれていた。そうして言われていた。
「私、休憩でしたから」
「だから。言ってるじゃない」
月美の正面に立つ星華が怒った声で返してきた。
「あんた私の時間も店番だってね」
「そんな・・・・・・」
「バスケ部の用事があるんだから仕方ないじゃない」
こういう理由をつけてだった。
「そうでしょ?言ったわよね」
「それは・・・・・・」
「だからよ。あんた店番だったのよ」
星華に続いてだ。三人も言う。
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