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翠碧色の虹
第三十幕:迷う心の虹
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七夏「あ! ヘッドホン用のアクセサリー☆」
心桜「イヤー最高!」
七夏「くすっ☆ 私、買ってみようかな☆ ここちゃーと一緒に楽しめます☆」

七夏ちゃんと天美さんは、セブンリーフのコーナーに惹き寄せられた。
高月さんが俺の方を見ている。今度は苦笑ではなく、その表情は堅い。

笹夜「と、時崎さん!」
時崎「え!?」
笹夜「その・・・すみません!」
時崎「!?」
笹夜「手を急に引っ込めてしまって」
時崎「!!!」
笹夜「私、自分の手が他の人よりも−−−」

俺は、ようやく分かった。高月さんが手にコンプレックスを持っている事。以前、高月さんにナンパしてきた男の人を、手の力だけで撃退していた事、俺と手が触れて反射的に手を引っ込めた事・・・。それは、高月さんの手の力、握力がとても強い事を意味しており、高月さんはとても気にしているという事だ。なんと答えるべきだろうか。

時崎「さっきのピアノ演奏、とても良かったよ!」
笹夜「え!?」
時崎「そんなピアノ演奏ができる高月さんの手・・・俺はとても魅力的に思うよ」
笹夜「・・・・・」
時崎「上手く言えないけど」
笹夜「・・・ありがとう・・・ございます」
時崎「!? 高月さん!?」

高月さんは、手を俺の方にそっと差し出してきた。俺はその手に両手で答える。高月さんの手はとても柔らかく、優しい手・・・そして、本当は力強さを持っている手であるという事が伝わってきた。

笹夜「・・・・・」
時崎「・・・ありがとう。高月さん!」

俺は、手をそっと離す。

笹夜「これからも、よろしくお願いいたします♪」
時崎「こちらこそ!」

七夏ちゃんと天美さんが、こちらに駆けてきた。

七夏「柚樹さん☆ 私、これ買いました☆ どうかな?」
時崎「セブンリーフか! よく似合ってると思うよ!」
七夏「くすっ☆ ありがとです♪」

セブンリーフのヘッドホンを耳元に合わせる七夏ちゃんは、とても可愛かったけど、今朝の事があって「可愛い」とは言えなかった。

心桜「んじゃ! これで解散としますかっ!」
笹夜「ええ♪ 今日はすみませんでした」
心桜「いえいえ! ありがとうございました!」
七夏「笹夜先輩! ありがとうございます☆ 花火大会、楽しみです♪」
笹夜「またお世話になります♪ 私も楽しみです♪」
七夏「はい☆」
心桜「んじゃ、ここでお兄さん!」
時崎「了解!」

俺は、楽しそうな三人を撮影した。

心桜「流石! 分かってるねっ!」
七夏「くすっ☆」
笹夜「それでは、失礼いたします」

高月さんは、最後に俺の方を見て会釈をしてくれた。俺もそれに応える形で会釈を返す。

心桜「お兄さん!」
時崎「え!?」
心桜「(笹夜先輩とは、いつ
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