暁 〜小説投稿サイト〜
翠碧色の虹
第三十幕:迷う心の虹
[12/14]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
高月さんとどのように接すればよいかという事ばかりに意識を持ってゆかれていた。

心桜「お兄さん!」
時崎「え!?」
心桜「笹夜先輩、なんか長くなりそうだよ!?」
時崎「そ、そう・・・か」
心桜「ん!? お兄さん!? 大丈夫?」
時崎「え!? ああ、すまない。七夏ちゃんは!?」
心桜「あっち!」

天美さんが指差した先に七夏ちゃんが居た。休憩コーナーの椅子に座って本を読んでいるようだ。

時崎「小説を読んでいるのかな?」
心桜「ま、良くあることだね。お兄さんもここで突っ立ってないで、つっちゃーの所で待ってたら?」
時崎「そうするか。ありがとう。天美さん」
心桜「いやいや。お兄さん、ちょっと笹夜先輩の事で気になってる事があるんじゃないかな?」
時崎「!!! なっ! なんでそれを!?」
心桜「あはは! あれだけの事があって、その後のお兄さんを見てたらすぐ分かるって!」
時崎「・・・・・」
心桜「ま、少なくとも笹夜先輩は、お兄さんのこと嫌ってないと思うから元気だしなよ」
時崎「え!?」

天美さんは、一連の様子を見てここまで読んでいた。そして、天美さんが「高月さんは俺の事を嫌っている訳ではない」と話してくれた事に随分と救われた。

心桜「まあ、そのうち笹夜先輩が話してくれると思うよ」
時崎「ありがとう。天美さん」

七夏ちゃんと天美さんと俺は、しばらく休憩コーナーで高月さんを待つ。七夏ちゃんと天美さんは本を読んでいる為、特に会話は無かった。俺は高月さんの事と、さっき天美さんが話してくれた事が上手く馴染まないもどかしさが頭から離れない。しばらくすると、高月さんがこちらに駆けてきた。

笹夜「すみませんっ! 大変お待たせしました」
心桜「お疲れ様です!」
七夏「くすっ☆」
時崎「・・・・・」
心桜「んじゃ、軽くお茶でもしますか! 喫茶店は8階だってさ!」
七夏「はい☆」

天美さんに付いてゆく形で8階の喫茶店に向かった。そこでも普段どおりの七夏ちゃんや天美さんに対して、俺は何か引っかかっている感があって、高月さんも同じように思える。この引っ掛かりをなんとかしなければならない。
喫茶店で飲み物を頂いた後も、俺と高月さんは平行状態のままだ。このまま別れてしまうのはお互いによくないが、どうすればいい?
俺から「何でそんなに凄い勢いで手を引っ込めたの?」と訊くのは高月さんを傷つけてしまいかねない。天美さんは「高月さんから話してくれる」と話してくれたが、そのまま待っていていいのだろうか?
そのまま三人についてゆく形で1階まで降りた所で−−−

心桜「おっ! つっちゃー! セブンリーフのコーナーがあるっ!」
七夏「えっ!? わぁ☆ って、さっきも見ました☆」
心桜「あはは! んで、これどうする?」
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ