第51話 行動開始
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side:リィン
武術大会が終わった後、俺はフィーとラウラを連れてグランアリーナ入り口の広場でエステルさんたちを待っていた。
姉弟子たちは打ち上げの場所を探しに向かいドロシーさんも写真を現像するために工房に向かった為一緒にはいない、アルバ教授は知らないうちに姿を消してしまっていたのでどこに行ったのかは分からない。一言声をかけてくれても良かったんじゃないのかとは思ったがフィーが怖がるのでまあいいかと自己完結した。
「あ、リートくーん、皆ー」
グランアリーナ入り口からエステルさんたちが出てきた、俺たちを見つけたエステルさんは手を上にあげて振りながらこちらに向かってきた。
「エステルさん、優勝おめでとうございます」
「ん、すっごくかっこよかったよ」
「うむ、手に汗握る白熱の戦いだった、この試合を見れただけでもリベール王国に来た甲斐があったというものだ」
「えへへ……きっと優勝できたのは皆があたしたちの勝利を信じてくれたからよ。だからあたしからもお礼を言わせて頂戴、ありがとう」
エステルさんからお礼を言われて俺は彼女たちに協力して良かったと思った。
「やあリート君、僕の活躍はどうだったかな?」
「オリビエさん、見直しましたよ。まさか自分を囮にしてロランス少尉の動きを鈍らせるなんて行動を取るとは思いませんでした」
「あはは、流石に痛かったけどね。なんだったらリート君が慰めてくれてもいいんだよ?」
「謹んでお断りさせていただきます」
オリビエさんの誘いを笑顔で断った俺は次にジンさんに話しかけた。
「ジンさんもお疲れさまでした、泰斗流の数々の技を見せてもらいましたがどれも素晴らしい技でした」
「……気に入らんな」
「ジンさん?」
ジンさんが何かボソッと呟いた気がするが俺には聞こえなかった。
「ん?ああ、すまないな。少し考え事をしていたもんでな」
「いえ、俺は気にしていませんが何か思う事があるんですか?」
「いやそんな大したことじゃないさ。それよりも晩餐会ってのは今夜あるみたいだな、けっこう遅くまでやるらしいから部屋も用意してもらえるらしいぞ」
「お城に泊まれるんだ、なんか羨ましいかも」
ジンさんは話を切り替えて晩餐会に付いて話し出した、少し気になるが本人が話をしないという事は話したくないことなのだろうから気にしない事にした。
それにしても晩餐会か、猟兵である俺には一生縁の無い話だな。精々お偉い貴族の護衛で付き添える可能性がある位だが行きたいと思う訳でもないしな。フィーはグランセル城の内部が気になるのかちょっと羨ましそうだ。
「しかし晩餐会ね〜……そういう席に行った事ないからちょっと緊張してしまうわね。テーブルマナ
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