第51話 行動開始
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者ならその名は知っていると言っても過言ではないほどの有名人だからな。それに彼はアルゼイド流と対をなすヴァンダール流の名を持つ者、私とよく似た境遇故少し興味があったのだ」
そうか、ラウラもアルゼイド流の関係者だもんな。そう言われるとミュラーさんとは似たような境遇なのか、彼もまたヴァンダール流の名を直接持った人物だからな。
「ふむ、ラウラ・S・アルゼイドだったか。君の御父上であるアルゼイド子爵には何度か剣の手合わせをして頂いたことがあったがこうして会うのは初めてだったな」
「はい、かの名高きミュラー殿にこうして会えて光栄に思います」
「君は若いのに真面目なのだな、このバカにもほんの少しは君のような良心があれば俺も苦労しないんだがな……」
ミュラーさんはラウラの礼儀正しい態度に感心しながらオリビエさんを見てため息をついた。
「おーい、弟弟子君!飲んでるかーい?」
そこにグラスを持った姉弟子が現れて俺の背中から手を首に回してくっついてきた。色々と柔らかいものが当たっているんですが……
「……リート。デレデレしない」
「そなたは相変わらず女子に弱いのだな」
フィーに足を抓られてラウラからは呆れられた視線を送られてしまった。
「あはは、フィルちゃんってば焼きもち焼いてるんだ〜。お兄ちゃんっ子で可愛い〜」
「アネラス、暑苦しい……」
姉弟子は俺から離れて今度はフィルを抱きしめた。フィーは鬱陶しいといった表情を浮かべているが姉弟子を離そうとはしない、フィーは本当に嫌でなければ逃げたりしないので姉弟子の事をそれなりに信用しているのだろう。
「それにしてもエステルちゃんたちは今頃お城で晩餐会かー、羨ましいな」
「姉弟子も惜しい所まで行ったんですがね……」
「でも大丈夫かな?エステルちゃんたちって何かの依頼で女王陛下に会わなくちゃいけないんだったっけ、最近の王国軍の動きも何だか変だしちょっと心配だな」
おいおい、そんな機密情報をこんなところで暴露するなよ……
「姉弟子、それってこういう所では言ってはいけない事なんじゃないですか?」
「えっ?あ、これは言っちゃいけないことだった……どうしよう……」
「まあ大丈夫ですよ、幸い他に客はいないし姉弟子が話したことは誰にも聞かれていないはずです。でもヘタをすれば他の人に迷惑はかけてしまいますから気を付けてくださいね」
「うぅ……ごめんね」
「分かってくれたならいいんですよ」
「えっと、流石に頭を撫でられるのは恥ずかしいよ……」
「えっ……?あっ、すみません!」
しまった、シュンと項垂れてしまった姉弟子を見てうっかり頭を撫でてしまった。年上の人に何てことをしてしまったんだ。
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