第51話 行動開始
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。ラウラも巻き込まれないように早く帝国に戻った方がいい」
「何を水臭い事を言うのだ、ここまで話を聞いてしまったからには私も協力させてほしい」
「ラウラ!?何を言っているんだ!」
俺はラウラの申し出に驚いてしまった。
「いいじゃないか、ラウラ君の実力は知っているし戦力は多い方がいい。ここは彼女にも協力してもらおう」
「オリビエさん、ラウラは猟兵じゃありません!俺たちの都合に彼女は巻き込めませんよ!」
「でも考えてもみたまえ。いくら君たちが大陸でトップクラスの猟兵団に所属しているとはいえ国の精鋭部隊と戦うとなればかなり厳しい状況になるんじゃないか?特にあのロランス少尉はかなり強い、一人でも戦力は増やしておくべきだ」
「しかし……」
オリビエさんの意見も分かるがそれでもラウラを巻き込んでいいという理由にはならない、それこそロランス少尉のような本当にヤバい存在がいるんだ。
「いえ、やはり俺は反対です。この件に関してはラウラは何の関係もない、それなのに命の危機にさらすような真似はできません。それにラウラは俺達猟兵と違って帰るべき場所がある一般人だ、もし今回のクーデターでラウラに何かあったら俺はヴィクターさんに顔向けできません」
俺がそういうとオリビエさんも黙り込んでしまった。自分で戦う事を決めた俺やフィーはいい、でもラウラは違う。ラウラの性格上協力してくれるだろう、でもだからといって巻き込むのはお門違いだ。
「リィン」
「ラウラ……?」
ラウラは俺の手を自分の両手で包み込むように握ると、柔らかな笑みを浮かべて話し出した。
「リィン、そなたは私の身を案じてくれているのだな。その心遣い、嬉しく思うぞ。だがなリィン、私はそなたたちに何かあってしまった方が怖いんだ。あの時行動していればと後悔するのならば行動してから後悔した方が遥かにいいだろう」
「ラウラ……」
「ふふっ、これはそなたから学んだことだ。なら私もそなたと同じように後悔しない生き方をしたい、例えどんな結果になろうともな」
俺はラウラの言葉に、かつての自分も後悔しないように生きようと思ったことがあった事を思い出した。
「……バカだな、ラウラは……でもそんなことを言われたらもう反対は出来ないじゃないか」
「バカとは心外だな。そなただって逆の立場なら同じことを言っただろう?」
「分かった、俺の負けだ。そこまで言うのなら俺はもう止めないよ。ラウラ、一緒に戦ってくれるか?」
「無論だ、このアルゼイドの剣技をもってしてそなたたちの力になろう」
「ラウラが一緒に来てくれるなら百人力だね」
俺はラウラに手を差し出し彼女はその手を取り力強く頷いた、その様子にフィーも嬉しそうに微笑んだ。
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