第51話 行動開始
[13/15]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
俺はオリビエさんが言う人物を頭に思い浮かべた、帝国の繁栄の為に多くの人たちから色々なものを奪ってきたと言われるくらいの男……オリビエさんの表情には恐れが浮かんでいた。
俺はギリアス・オズボーンに会ったことは無い、だがこの人がここまで警戒する程の人物だという事は理解した。
「これはあくまでも推測でしかない、だが実際にそうなってしまえば多くの命が失われることになる」
「戦争が起きれば沢山の人が死ぬからね、それも挙って民間人とか弱い存在ばかりが死んでいく」
万が一エレボニア帝国がリベール王国に戦争を仕掛けたら百日戦役以上の惨劇になりかねない状況に俺は危機感を感じた。俺とフィーは戦場でそういった光景を何度も見てきたから分かる、実際にそんなことになればもう誰も止められなくなるだろう。
「これ以上我が母国が、争いをまき散らしていくのを黙ってみていたくなかった……それが僕がクーデターを止めたいという理由さ」
「そうだったんですか……」
「それに僕はエステル君達を気に入っているからね、この国もいい所だった。だから今は純粋にこの国の未来を守りたいとも僕は思っている」
「……あなたにはまだ秘密がありそうにも思えますが、一応は納得しましょう」
俺は取りあえずオリビエさんを信じる事にした。
まだ何か隠し事をしているようにも思えるがこの人ともそれなりの付き合いになる、だからある程度どういう人なのか分かってきたからだ。
道化を装っていながらもどこか怪しい雰囲気を出すオリビエさん……でも根っこの部分は優しい人なんだと思う。この人は純粋にリベール王国やエレボニア帝国の未来を、そして何よりエステルさんたちが心配だから今回のクーデターを止めたいんだと俺は感じ取ったからだ。
「さて話は纏まったことだし僕たちも行こうか」
「行くってどこにですか?」
「アリシア女王陛下のお孫さんでありこの国の姫であるクローディア姫……彼女はリシャール大佐に捕らえられてしまっているんだ」
「そっか、エステル達はまずそのお姫様を助けに向かったんだね」
「その通りさ。エステル君達が向かった場所はエルベ離宮、そこにクローディア姫は幽閉されている」
「しかしよくもまあそこまで調べられましたね、一体どんな方法を使って情報を得ているんですか?」
「それはひ・み・つ・さ♪」
もったいぶった言い方をするオリビエさんに改めて油断ならない人だと思い俺は肩をすくめた。
「リィン、フィー。どうやらそなたたちはまた何か厄介ごとに巻き込まれているようだな、それも私が想像していた以上の事らしい」
「ああ、話を聞いていてなんとなく分かったかもしれないが俺たちはこの国を乗っ取ろうとするリシャール大佐とその一派とやり合うつもりだ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ