暁 〜小説投稿サイト〜
転生とらぶる
機動戦士ガンダム
2112話
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ば……ちょっと納得は出来ないが。
 そんな風に話しつつ、リリー・マルレーンの中を移動する。
 そうなれば当然のように、他の海兵隊の面々と顔を合わせる事になる。
 俺はシーマと良好な関係を築いているという事もあり、特に見咎められたりはしなかったが……ガトーは、やはりこの海兵隊の中ではどうしても違和感があるのだろう。
 それでも本人は警戒するような視線を向けられた事を気にせず、俺の後をついてきた。
 そうして部屋に到着するが、当然のようにこの部屋は臨時のものである以上、特に何かこれと言った荷物の類は置いていない。
 まぁ、何か必要だとしても空間倉庫の中に入ってるんだから、この状況でも特に困らないというのが大きいのだが。
 それでも冷蔵庫の中には冷えた水の入ったボトルが用意されているのは、パイロットの特権だろう。

「ほら」
「すまぬ」

 水を投げ渡すと、俺とガトーは改めて向かい合う。
 幸い備え付けの椅子とテーブルはあったので、ガトーはその椅子に座らせ、俺はベッドの上に腰を掛けた。

「さて、では単刀直入に問おう。ムウ少尉が言っていた、偽りのジオン。それについて話を聞かせて欲しい」
「ガトーも知ってる通り、今のジオンはザビ家の独裁だ。そこにジオン・ズム・ダイクンの意思は残っていない。ザビ家がジオンを乗っ取ったからな」
「……乗っ取ったと言うが、ジオン・ズム・ダイクンの死後にジオン公国を率いてきたのは間違いなくザビ家だと思うが?」
「そうだな。ジオン・ズム・ダイクンを毒殺した後でな」
「待て。そのような噂が流れているのは知っているが、それはあくまでも噂の筈だ。それとも、その噂が真実だという証拠でもあるのか?」

 勢い込んで尋ねてくるガトーに、首を横に振る。

「残念ながら証拠の類はない。あくまでも、この件に関してはな。だが……誰が一番得をしたのかを考えれば、それは明らかだと思うが?」
「それは結果論にすぎん。証拠も何もなくそうだと疑うのは、ただの言い掛かりだ」
「……まぁ、そう言うのならそれでもいいさ。けど、ジオン・ズム・ダイクンの子供が地球にいる時に……それ以外でも暗殺者を放ったのは、間違いなくザビ家だと思うが?」

 そう言うが、正直なところこれも明確な証拠は何もない。
 だが、こちらは他に誰がシャアとセイラを狙うのかと言われれば……わざわざそれを狙うのがザビ家以外にいないのも事実だ。

「待て。ジオン・ズム・ダイクンの子供だと?」
「そうだ。ダイクンに子供がいたのは、ジオンの人間なら誰でも理解出来るだろう? 殆ど表舞台には出なかったが。その2人の子供は、身の危険を感じてサイド3から脱出して地球に隠れ住んでいた」

 その言葉は、ガトーにとっても完全に予想外のものだったのだろう。
 ポカン
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