第四十五話 二学期になってその七
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「そういうのをね」
「一緒にしてですか」
「そうしてるの」
「何か普通ですね」
「普通というか宗教が違うだけでいがみ合っても」
それこそと思います、私も。
「仕方ないし」
「だからお付き合いもしてるんですね」
「それも仲良くね」
「それ中々出来ないですよね」
「そう?」
私は阿波野君の今の言葉に目を瞬かせて返しました。
「別に中々でもないわよ」
「そうなんですか」
「普通に仲よく出来てるわよ」
「そんなものですか」
「というか宗教が違っても」
仏教も神道もです。
「大したことないじゃない」
「そんなものですか」
「そうよ、私もお寺と神社にもよくお邪魔してたし」
妹達と一緒にです。
「お世話になってるし」
「そうですか」
「悪い人達もいないし」
大抵の人が穏やかです、この辺り宗教関係者だけはあるでしょうか。
「特に妹達なんかかなり可愛がってもらってるわ」
「そんなものですか」
「ええ、まあそうしたこともね」
他の宗教の人達とお会いしたりお話したり一緒にお仕事をすることもです。こうして振り返ると色々あります。
「勉強になるわよ」
「そういうものですね」
「そう、阿波野君も覚えておいてね」
「よくわかりました、じゃあ今はこれで」
「そうよ、何でここに来たのよ」
わざわざ三年生のところにです。
「一年生のところに戻りなさい」
「はい、これで」
「ええ、またね」
「はい、また」
阿波野君は陽気に笑って私に手を振って別れました、これで終わったと思ったらでした。クラスの皆が私のところに来て笑って言ってきました。
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