最終章:夢を追い続けて
第74話「夢を追い続けて」
[8/8]
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
撃。
それは、防御を捨てた分を補って余りある効果を引き出した。
……故に、交差した時、九連撃の最後の一撃が、桜へと命中したのだ。
「……それにしても、負けちまったか……俺も、束も、皆も」
「ものの見事にね。なんでだろうね、実力自体はこっちの方が高かった。戦力もトラップで削ったのに結局負けたよ」
苦笑いしながら束が言う。
そう。本来なら束たちの個々の実力は相対した相手よりも上だった。
複数戦だということを考慮しても、不利だったのは秋十達の方だった。
「……意志と覚悟の差だろう」
「……負けてないつもりだったんだがな」
「まずスタート地点が違う」
桜の言葉をばっさりと否定する千冬。
どういうことかと桜と束が千冬へと視線を向ける。
「お前たちは、自分たちが犠牲になる事で世界を変える……つまりは自分たちを犠牲にしなくては出来ないと“諦めた”。対し、秋十達はお前たちを救う事も“諦めなかった”。……その時点でお前たちの負けは決まっていた」
「……そうだな……。確かに、そこは諦めていたし、俺たちは秋十君達に負けるのを密かに望んでいた。……既に、決着はついていたのか」
千冬の言葉に納得したように、桜は呟く。
「……納得したか?」
「……あぁ」
そう言って、桜は一度目を閉じ、何かに気づいたようにもう一度目を開ける。
「……悪い、ちょっと、眠る……さすがに、疲れた……」
「……そうか。……存分に休めばいい」
「さー君はずっと頑張ってきたからね」
千冬と束に言われて、桜は再び目を閉じる。
そして、まるで死にゆくように眠った。
「……マドカ」
「秋兄?」
「悪い、寝る……」
「ちょっ……」
秋十もそれに続くように気絶し、戦いの幕が完全に降りた。
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ