暁 〜小説投稿サイト〜
IS〜夢を追い求める者〜
最終章:夢を追い続けて
第74話「夢を追い続けて」
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くなる。

「くっ、ぉおおおっ!!」

「ッッ……!」

 そこからは、ただの取っ組み合いだった。
 お互いに体勢を立て直させないように、掴みかかる。
 その結果、PICがあっても二機は錐揉み回転しながら落下を続けていた。









「ッッ……!」

 その様子を、地上の面子も衛星などから見ていた。
 全員が、現在何のためにこの場にいるのか忘れたかのように、外へと飛び出す。
 トラップなどは全て束が解除しておいたため、誰かが道中で怪我する事はない。

「……見えた……!」

「落ちて来るぞ!」

 まるで流れ星のように、二人が落ちてくる。
 地面ギリギリでお互いに突き放す事に成功するが、もう遅い。
 結局、体勢を立て直す事が出来ないまま、地面に激突した。

「………」

 その衝撃で二機のSEはゼロになる。

「「ッッ……!」」

 二機は待機状態になり、秋十と桜は生身でその場に投げ出される。

「ぉおおおおおおおおおっ!!」

「はぁあああああああっ!!」

 しかし、なお二人は雄叫びを上げて突っ込む。
 手には何も持っていない。つまり、次に繰り出されるのは……。

「「ッッ!」」

 拳の応酬だ。
 既にISでの決着はつき、その結果は引き分けだった。
 なら、勝敗を決めるのはまだ終わっていない生身での対決のみ。
 だから、二人はそのまま戦闘を続行した。

「ぐっ……!」

「っぁ……!?」

 どちらも疲弊している。
 そのため、四属性を宿していても回避は出来なくなっていた。
 桜の攻撃を耐え、秋十が反撃する。
 その攻撃をまともに受けて一歩後退しながらも、すぐに一歩踏み出して反撃する。
 まさに泥仕合。ただ喧嘩のように殴り合う。

「ッ……!」

「やめておけ」

「でも!」

 見かねたマドカが止めに行こうとするが、千冬がそれを止める。

「……殺し合いではない。気が済むまでやらせてやれ」

「………」

 それはもう、決闘でもなんでもなかった。
 ただの泥臭い喧嘩。意地のぶつけ合いだった。

「ぉおおおおおっ!!」

「ぁああああ!!」

 試合や模擬戦、ISによる戦いならば何度も経験している。
 しかし、ただの意地のぶつけ合いによる喧嘩を、二人はしたことがない。
 そのためなのか、回避も防御も疎かになっている。

「っづ……!」

「がっ……!?」

 桜の拳が秋十の腹に直撃する。
 即座に秋十がその手を掴み、拳を放つ。
 だが、桜はそれを躱し……追撃の回し蹴りを食らう。

「ぉおおっ!!」

「ッッ……!」

 後ずさった桜に飛び掛かるように
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