暁 〜小説投稿サイト〜
IS〜夢を追い求める者〜
最終章:夢を追い続けて
第74話「夢を追い続けて」
[3/8]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
に放たれた膝蹴りを受け止めるために防御せざるを得なかった。

「タダでは終わらん……!」

「くっ……!」

 防御した際に仰け反った体を捻り、回し蹴りを秋十へと叩き込む。
 ガードはしたものの、それでもダメージが秋十へと通る。

「っ……!」

「ッ!」

 どちらも攻撃を食らった反動で後ろに下がる。
 仰け反った首を動かし、即座にライフルを展開。射撃を繰り出す。
 互いに同時に放った弾は、奇しくも唯一当たりそうな一発が相殺されるに終わった。

「ぉおおっ!!」

 それを認識して……否、相殺されようがされまいが、秋十は次の行動を起こしていた。
 まるで弾かれるように弧を描く軌道で桜へと間合いを詰める。

「っ……!」

 そして、桜も同じように弾かれるように移動。
 秋十の突撃を躱す。

「つぁっ!」

「っ!ぉおおっ!!」

 それは、さながら某七つの龍の玉の戦闘シーンのようだった。
 宙を駆け、ブレーキと同時に突撃を躱し、桜はブレードを振るう。
 それを、秋十は目の前を通り過ぎるぐらいギリギリで躱し、反撃に切り上げを繰り出す。

「ッ!」

「くっ……!」

 さらにそれを躱し、また反撃を繰り出す桜。
 秋十も負けじと反撃を繰り出す。
 だが、それらはお互いの“風”と“水”の効果で決して当たらない。

「はぁ……はぁ……はぁ……」

「っ………」

 互いに一度間合いを離し、呼吸を落ち着ける。
 千日手……という訳ではない。
 どちらも一歩も引けを取っておらず、少しでも油断すれば勝敗が決まる。
 つまりは、気力と意地の勝負であった。
 そして、その点において二人は決して負けそうになることはなく、結果的に千日手に見える程、決め手となる一撃が当たらない状況が続いた。

「はぁ……はぁ……ふぅ〜……っ」

「ッ……」

 息を整え、互いの様子を探る。

「(SEはとっくに半分を切った)」

「(こうなれば長期戦は不可能。秋十君もそれを理解しているはず)」

「(短期決戦は桜さんの方が有利。“想起”を使われたらまず長く保たない。……尤も、それは桜さんも同じだけど)」

 既に何度も斬り合い、お互いのSEはあまり残っていない。
 決着をつけるのならば、短期決戦しかないと思考の中で断言する。

「(……やるなら、今しかない。俺の……俺と夢追の出せる、最強の技を)」

「(……来るか。秋十君。……全力で、俺にぶつかってくるか)」

 秋十がブレードを静かに構える。
 間合いは離れており、桜が意図的に間合いに入らなければ当たらない程だ。
 だからこそ桜も冷静にそれを分析する。

「(……四属性関連の技ではないな。共通
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ